フランス文化の節目を迎える2026年――美術館、音楽、そして海辺の街へ
今年がモネ没後100周年であることはすでにお伝えしたが、2026年はそれ以外にもフランス文化にとって重要な節目が重なる。まず、開館40周年を迎えるオルセー美術館。1900年のパリ万博に合わせて7月14日に公式開通し、1939年まで鉄道駅舎として使用された建物は、その後さまざまな用途を経たのち、一時は完全に取り壊してモダンなホテルを新築する案まで浮上した。しかし最終的には1977年に美術館への改装が決定し、1986年12月9日にオルセー美術館としてオープン。40周年を祝う記念行事は多岐にわたる。まず、長らく来館者の目の前で修復作業が続けられてきたクールベの《オルナンの埋葬》が、8月5日から通常展示に戻る。また、フランスでは初の単独展となるメアリー・カサット展が10月6日から開催。さらに、モネの作画技法に特化した新展示が9月30日から公開される。イベントとしては、12月5日・6日のオープン記念ウィークエンドで、館内各所で音楽を中心とした多彩な催しが行われる。同月4日には、駅舎時代の豪華ホテル「オルセー・ホテル」の一室だった場所に、1850〜1890年を対象とした新しい「装飾美術展示室」がオープンする。そして最も注目されているのが、パリオリンピック開会式の演出を手がけた人気演出家トマ・ジョリーによる新作ショー「BOUM1986」である。1980年公開の映画『ラ・ブーム』に象徴されるヒット曲の世界観を踏まえつつ、ジョリーの現代的な感覚がショー全体を貫くという。この時期にオルセー美術館を訪れる予定があるなら、早めのチケット確保を強くお勧めする。

見学者の前で続けられていた《オルナンの埋葬》の修復作業の様子 © Musée d'Orsay / Laëtitia Striffling-Marcu

MuM'Orsayと銘打った移動美術館カーの外観予想図。2026年10月から27年末まで、「祝祭」をテーマに、絵画、彫刻、写真、オブジェなど、オリジナル作品約20点を乗せて、農村部、山間部、小都市などを中心にフランス全土を巡回する。© Tous droits réservés - agence Hérault Arnod Architectures, Paris, 2026

オルセー美術館の夜間特別公開の様子 © Musée d'Orsay / Allison Bellido
世界的に名高い現代音楽集団、アンサンブル・アンテルコンタンポラン(EIC)は今年創設50周年を迎える。年間を通じて特別記念コンサートが開催される予定で、なかでも9月19日には創設者ピエール・ブーレーズの遺作が世界初演される。また、聴衆500人がEICのレパートリーから選んだ50曲を、DJスタイルのジュークボックス形式で披露する企画も予定されており、現代音楽を気軽に楽しめる。

アンサンブル・アンテルコンタンポラン © Quentin Chevrier
夏の展覧会として特にお勧めしたいのが、ドーヴィルのレ・フランシスケーヌで9月20日まで開催中のラウル・デュフィ展である。これまで未公開だった作品も含め、デュフィの色彩感覚と軽やかな筆致を存分に味わえる内容となっている。街の象徴でもある馬と海に特化した作品も。避暑も兼ねてぜひ訪れてみては。

中央の《サンタドレスの浜辺》(1904)に描かれた桟橋の手すりをデザインした展示室。左は展覧会ポスターに利用されている《浴女たち》(1919)© Sandrine Boyer Engel - FRC IN SITU R. DUFY-8



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