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「アクチュアリテ アート&スペクタクル」岡田Victoria朋子

パリでの能公演/ヴェルサイユ王立オペラ250年/ロワールフェスティバル/パリの秋の展覧会

パリでの能公演

 パリでは9月末から10月にかけて現代能と狂言の公演が立て続けに行われた。パリ日本文化会館で銕仙会による『ヤコブの井戸』と『長崎の聖母』をはじめとする6演目(9月24、25日)、MPAAサン=ジェルマンホールでの延年之會による狂言公演(10月2日)、オペラ・コミック劇場で人間国宝梅若玄祥を招いての『マリーアントワネット』(10月8日)。いずれも1回のみの公演だったが、フランス人の観客も多く、熱演に盛んな拍手を送っていた。

ヴェルサイユ王立オペラ250年

 ヴェルサイユ宮殿内にあるオペラ劇場は後のルイ16世とオーストリア公妃マリー=アントワネットの結婚式に際して1770年に建立された。それ以降ほとんど使われていなかった建物を、2009年に劇場としてオープン。250年記念シーズンの今年は、ルイ王朝時代のバロック音楽を中心に、コンサート形式も含めたオペラ20作をはじめ、100以上の催しが組まれている。今年のクリスマスシーズンには、隣接するチャペルでのクリスマスコンサートシリーズ、オペラ『ヴェルサイユの幽霊』、王侯のアパルトマンをめぐる特別コースに沿って繰り広げられるショーなど盛りだくさん。https://en.chateauversailles-spectacles.fr/


『ヴェルサイユの幽霊』
© Karil Cadel


『ヴェルサイユの幽霊』
© Karil Cadel

 ロワールフェスティバル

 ヨーロッパの大河で唯一、自然な状態が今でも残るロワール河。その拠点都市の一つオルレアンで、9回目となるロワールフェスティバルが9月末に開かれた。今年はロンドンのテームズ河をテーマに、河川関係の職業に携わる700人以上の人々や500人のアーティストを招き、220あまりの各種船舶の遊覧・見学や、「ガンゲット」と呼ばれる昔ながらの音楽ダンスパーティなど、多彩に楽しめた。http://www.festivaldeloire.com


オルレアンの象徴、ジャンヌ・ダルクの銅像
(筆者撮影)


かつての船員の生活を彷彿させるデモンストレーション
(筆者撮影)


英国がテーマの今年は英国船も参加
(筆者撮影)


昔ながらの帆船
(筆者撮影)


船にまつわる伝統的なメチエを多数披露
(筆者撮影)

パリの秋の展覧会

 パリでは10月号で紹介したダヴィンチ展をはじめ、ポンピドゥセンターのフランシス・ベーコン展(1月20日まで)、グランパレのエル・グレコ展(2月20日まで)とロートレック展(1月27日まで)、国立図書館のトールキン指輪物語展(2月16日まで)など話題の展覧会が目白押し。

◇初出=『ふらんす』2019年12月号

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著者略歴

  1. 岡田Victoria朋子(おかだ・ヴィクトリア・ともこ)

    ソルボンヌ大学音楽学博士、同大学院客員研究員。国際音楽評論家協会理事。翻訳家

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