シャトレ劇場再オープン/ルーヴル美術館のダヴィンチ展
シャトレ劇場再オープン
© Philippe Pumain
2年半に及ぶ大規模な改修・整備工事を終え、シャトレ劇場が9月13日の『パラード Parade』で再オープンした。新シーズンは新しい芸術監督を迎え、多様なジャンルを混ぜ合わせたエンターテインメント的プログラムを組んでいる。目玉はなんといっても2014年にシャトレ劇場がプロデュース・初演し、ブロードウェイで600公演を記録して4つのトニー賞に輝いたガーシュインのミュージカル『パリのアメリカ人』(11月28日~2020年1月1日)。ソプラノ歌手によるショー『黒い真珠』はピーター・セラーズ演出のジョゼフィン・ベーカーの物語。多彩な活動を繰り広げるマリ出身のシンガー、ロキア・トラオレが反アパルトヘイトの女性闘士にオマージュを捧げるコンサート・ショーも。ラッパーのアブダル・マリックはカミュの戯曲『正義の人々』を演出。クラシック音楽では全く新しい演奏解釈が話題のテオドール・クルレンツィスとムジカエテルナ・アンサンブル・合唱団が2020年からレジダンスアーティストとして実験的な上演も含めた活動を行う。
ルーヴル美術館のダヴィンチ展
© Musée du Louvre
ルーヴル美術館では、画家の没後500年を記念してレオナルド・ダヴィンチ展を10月24日から開催する。《モナリザ》を筆頭にデッサン22点などを所有するルーヴルのダヴィンチコレクションはすでに世界最重要だが、今回の展覧会はそれに加え各地から借り入れした絵画、デッサン、手稿、彫刻など、総数120点という大規模なもので、すでに世界中で注目されている。出品予定の《サルヴァトール・ムンディ》は2017年のオークションで絵画としては史上最高の4億5千万ドル以上の値がついて話題になったが、その後の絵の行方について憶測が飛び議論がなされたいわくつきの作品。実際に出品されるかどうかが鍵とされている。展覧会は事前予約が必要。詳細はhttps://www.louvre.fr/jp/homepage
◇初出=『ふらんす』2019年10月号