劇場・美術館の閉館、開館いろいろ
数世紀にわたって使用されてきた劇場や美術館が、数年前から、修復・改装工事のため閉鎖される例が相次でおり、今後も続く予定だ。
まず、昨年秋から段階的に閉館作業が進められているポンピドゥー・センター。1970年台に建造された建物全体が本年より閉鎖され、大規模な改装工事が始まる。すでに各地で「引っ越し展」ともいえる展覧会が開催されているが、今年秋にはパリ南郊マッシー市に、創作と作品保管に特化した新センターが開設される予定だ。本館の再オープンは2030年を見込んでいる。モンソー公園に隣接するパリ装飾美術館の別館、ニッシム・ド・カモンド美術館は、ベル・エポック期に建てられた銀行家・蒐集家カモンドの私邸で、18世紀の装飾美術や銀器の名品を展示してきた。2024年から閉館しており、再開は2027年の予定。また、かつて「ヌーヴェル・アテーヌ」と呼ばれた芸術家たちの集った地区に位置するロマン派美術館は、画家アリ・シェフェールの旧アトリエ兼邸宅。ジョルジュ・サンドやショパンゆかりのこの建物は、展示空間の再構成を目的に2024年9月から休館していたが、今年2月に再オープンする。

ロマン派美術館の入り口と庭© D. Messina_ Paris Musées_ Ville de Paris
地方では、2019年より改装工事のため閉鎖されていたトゥールーズのオーギュスタン美術館が、昨年12月に待望の再開を果たした。5世紀にわたり修道院として使われた歴史的建築に、フランス、イタリア、オランダ絵画を中心とする約4,000点からなる膨大なコレクションを擁している。

トゥールーズ・オーギュスタン美術館の工事前の外観 © Mairie de Toulouse
劇場に目を向けると、コメディ・フランセーズのメイン劇場が今年1月からシーズンの終わりまで安全性を強化する工事のため閉鎖。パリ・オペラ座ガルニエ宮は2027年から2029年まで、バスティーユ・オペラは2030年から約2年間、舞台周辺を中心とする大規模改修のため全面閉鎖される。
バスティーユオペラ © E. Bauer - Opera national de Paris
ガルニエからほど近いオペラ・コミック座も、舞台設備の近代化を目的として2026〜27年シーズン中に閉館し、再オープンは2029年の予定だ。さらに、東部のストラスブール・オペラも、舞台と客席の刷新およびホワイエ改修のため、2028年から5年間にわたり閉鎖される。閉鎖中は、現在アマチュア団体が使用しているホールをオペラ仕様に改装して上演が継続される。



