イベント情報(『ふらんす』2026年4月号掲載)
【展覧会】
◉ウジェーヌ・ブーダン展 瞬間の美学、光の探求
画家ウジェーヌ・ブーダン(1824-98)は、フランス・ノルマンディー地方の港町オンフルールに船乗りの子として生まれ、やがて移住先のル・アーヴルで出会ったバルビゾン派の画家たちと交流するなかで画家を志します。空や雲、海景、牛の群れなどを瑞々しい色彩と軽快な筆致で描き出す作風で知られるブーダンは、1850年代半ばに出会った青年期のモネとともに戸外制作を行い、これがのちの印象派誕生へつながったと言われています。本展はブーダンの、日本では約30年ぶりとなる展覧会。印象派誕生から150年という節目に、油彩・素描・パステル・版画を中心としたブーダンの初期から晩年までの約100点を通じてその画業を紐解くものです。/会期:2026年4月11日(土)〜6月21日(日)、会場:SOMPO美術館(東京・新宿)、[URL]https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2025/eugeneboudin/
◉生誕150周年 アルベール・マルケ展
フランス近代絵画の巨匠アルベール・マルケ(1875-1947)の生誕150周年を記念して、日本では35年ぶりとなる回顧展が開催されます。マルケは1890年代の終わりから、友人のアンリ・マティスとともに大胆な色彩によるのちにフォーヴィスムと呼ばれる作風を展開していきますが、やがて他のフォーヴィストたちとは一線を画し、穏やかな作風へと変わっていきます。生涯旅を愛し、窓から水辺と建物が織りなす風景を見つめ、俯瞰した構図とニュアンスのある穏やかな色遣いで、それぞれの地で感じた光や空気感の違いまでも描き出しました。本展では、日仏の主要な美術館や個人コレクションから借用した油彩、パステル、デッサンなど約90点により、マルケの画業を辿ります。なかでも、水辺の風景など特定のモティーフを、異なる時間、季節、天候を変えて描く試みを行っていることに着目し、マルケの新たな魅力に迫ります。/会期:2026年4月11日(土)〜5月31日(日)、会場:ひろしま美術館(広島市)、[URL]https://www.hiroshima-museum.jp/
◉ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ゠リヒャルツ美術館所蔵
印象派を代表するモネ、ルノワール、セザンヌ、ピサロをはじめ、彼らに影響を与えたミレー、コローらバルビゾン派の画家たち、さらには新印象主義の最も重要な画家のひとりであるシニャックなど、印象派をめぐる42名の画家たちの作品70点を展示いたします。ドイツ有数の美術館、ヴァルラフ゠リヒャルツ美術館・コルブー財団のコレクションからなる、印象派に紐づく豊かなフランス近代美術の名品の数々をぜひお楽しみください。/会期:2026年4月19日(日)〜6月21日(日)、会場:宇都宮美術館(栃木県宇都宮市)、[URL]https://www.artpr.jp/u-moa この展覧会は、7月からは大阪あべのハルカス美術館、9月には名古屋市美術館に巡回します。
【映画】
◉A Missing Part また君に会えるまで
東京でシェフとして働くフランス人のジェイ(ロマン・デュリス)は、日本人女性と結婚するも離婚。共同親権をめぐる制度の違いにより、最愛の娘リリーと引き離される。望みを捨てきれず、タクシー運転手に転身。孤独に街を彷徨いながら、彼の目はいつも娘の面影を追いかけていた。帰国を決意した矢先、思いがけない再会が訪れる。成長した少女が、偶然ジェイのタクシーに乗り込んでくるが、リリーは目の前の男性が実の父親だとは気づかない。ジェイは名乗ることができないまま、束の間の父娘の時間を過ごす―親子の絆と愛、そして国境を越えて家族のかたちを問い直す物語。監督は、『パパは奮闘中!』でフランス国内に大きな反響を呼び、家族をめぐる物語を社会的視点と繊細な感情描写の両面から描ける作家として評価を確立したギヨーム・セネズ。本作でも、変わりゆく社会の中で家族と向き合おうとする人々の葛藤を、過剰な演出に頼ることなく、静かなまなざしで描いています。フランス映画祭公式セレクション作品。[URL]https://www.unifrance.jp/festival/2026/ 2026年3月21日(土)より吉祥寺アップリンクほか全国順次公開


