フランス人はどんなスポーツが好き?
今年の1月、ポーランドとスウェーデンでハンドボールの男子世界選手権が開催されていたのをご存知ですか? 実はフランスは世界選手権で最多優勝(通算6回)しているハンドボールの強豪国なのですが、今年は惜しくも決勝でデンマークに破れて準優勝に終わりました。昨年のサッカー・ワールドカップの記憶がまだ新しいせいか、直後にスポーツ好きなフランス人の知り合いと話していたら、「また世界大会の決勝で負けてしまった…」とがっかりしていましたが、メジャーなスポーツの世界大会の決勝にたびたび自国のチームが進出するなんて、それだけで十分すごいことではないでしょうか。
人気があって注目されるスポーツが国によって多少違うというのは、たとえばオリンピック開催中のテレビ中継の内容を比べてもよくわかって面白いものです。そこでフランス・スポーツ省によるデータを元にした2020年の「競技登録者数ランキング」を紹介したいと思います。公式な競技連盟に加入したクラブには登録せず、個人的にやっている人はこのデータからは漏れていますが、フランス人たちが普段、どんなスポーツをしているのかを大まかに知る手がかりにはなりそうです。
1位:サッカー(約190万人) 断トツの1位はやはりサッカー。強い代表チームやスター選手の存在が後押ししている。
2位:テニス(約95万人) 個人競技ではテニスが1位。全仏オープンは1928年から開催で歴史は長い。
3位:乗馬(約66万人) 大都市パリとその近郊にも乗馬クラブは多く、フランスでは気軽にできるスポーツ。
4位:バスケットボール(約51万人) 街中にバスケットボールコートを見かけることも多く、身近なスポーツ。
5位:柔道・柔術・剣道(約37万人) フランスが柔道大国なのはご存知のとおりで、経験者の多さに驚く。
6位:ゴルフ(約40万人) フランスでも「お金のかかる」スポーツ。こんなに登録者が多いとは知らなかった。
7位:ハンドボール(約33万人) 中高の体育の授業でよく取り入れられる、フランスで浸透率の高いスポーツ。
8位:水泳(約31万人) 学校では最低限しか習わないが、夏のバカンスで海やプールを楽しむためには必須。
9位:ペタンク(約28万人) 金属球を投げて競う南仏生まれのスポーツで中高年に人気。ペタンク場のある公園も多い。
10位:ラグビー(約28万人) 特に南部で人気が高い。今年はワールドカップがフランスで開催されるのでさらに注目。
◇初出=『ふらんす』2023年4月号