毎年春に、フランス人が好む消費者ブランドのランキングが発表されるので、いつも注目しています。この調査を行う会社はいくつかあり、結果も若干の違いがありますが、今年最も話題になっていたEYパルテノンというコンサル会社の調査結果を1位から10位まで順に紹介したいと思います。この調査は2023年1月、18歳以上の9300名を対象に行われました。

パリ郊外のショッピングセンター内にあるACTION

1位：Action（前年3位）　今年のランキングで最も注目されたのが、オランダ生まれの格安生活用品チェーン、アクションが初めて1位になったこと。フランスでも物価上昇・購買力の低下が懸念される今日このごろ、平均商品単価が2€というこの店が人気1位になったのは象徴的な現象かもしれない。フランス進出は2012年だが、知名度が上がったのはここ数年のこと。パリ市内にはまだないが、全国では720以上の店舗を数える。

2位：Decathlon（前年2位）　1976年創業のスポーツ用品チェーン。低価格な割に質が良く、ここの商品を身につけて運動するフランス人の割合はかなり高い印象。

3位：Leroy Merlin（前年1位）　1923年創業のホームセンターチェーン。DIYのためのあらゆるものが揃う。日曜大工好きの多いフランスならではの人気。

4位：McDonald’s（前年6位）　1972年にフランス1号店オープン。短縮して「マクド」と呼ばれる。

5位：Fnac（カルチャー部門・前年5位）　1954年創業、音楽や書籍等の文化関連及び電化製品のチェーンで主要都市には必ず店舗がある。

6位：Amazon（カルチャー部門・前年4位）　アマゾン・フランスは2000年に誕生。この20年でオンラインショッピングはすっかり定着。

7位：Picard（前年ランク外）　1906年製氷会社として創業し、その後、冷凍食品専門チェーンとして発展。2016年には日本にも進出。

8位：IKEA（前年7位）　ご存知イケアは1981年にフランス上陸。現在全国に34店舗がある。

9位：E. Leclerc（前年10位）　1949年創業の大型スーパーのチェーンで、最も安いスーパーの1つと言われる。

10位：Histoire d’Or（前年ランク外）　1986年創業のジュエリー専門店チェーン。比較的お手頃な価格の商品が多い。

◇初出＝『ふらんす』2023年6月号