私は仕事がら、パリにいらした日本の方々とディナーをご一緒する機会が多く、大抵はフランス料理のお店を予約するのですが、必ずと言っていいほど聞かれる質問があります。「フランス人は普段からこういった手の込んだフランス料理ばかり食べているのですか？」と。その都度、家での献立は案外シンプルで、外食する場合でも、フレンチ以外のお店にも行くと思います……と答えてはいるものの、実際フランス人がどんな料理を好んで食べているのか、改めて調べてみることにしました。

「フランス人の好きな料理トップ10」（Sociovision調べ・2023年1月）
1位：チキン＆フライドポテト（Le poulet-frites）　1羽丸ごとオーブンでじっくり焼いたチキンは、家族揃って食べた子供の頃の思い出とも繋がっている人も多いかも。
2位：ラクレット（La raclette）　とかしたチーズを茹でたじゃがいもとハムにかけて食す冬の定番。サヴォワ地方の郷土料理だが人気は全国区で、一家に一台ラクレットマシーンがある。
3位：ピザ（La pizza）　イタリアに並ぶ消費量を誇り、宅配はもちろん、家庭で手作りする人も多く、すぐに使えるピザ生地がスーパーで売っている。
4位：クスクス（Le couscous）　マグレブと呼ばれる北西アフリカ地域の料理。フランスの食文化は移民の歴史と切り離せないことが分かる。
5位：牛肉の赤ワイン煮込み（Le boeuf bourguignon）　ワインの名産地ブルゴーニュの名前がついた名物料理。
6位：仔牛肉のクリーム煮込み（La blanquette de veau）　仔牛肉と人参やポロネギをクリームで煮込んだシチューで付け合わせはお米。ビストロにこのメニューが登場すると冬の訪れを感じる。
7位：キッシュ・ロレーヌ（La quiche lorraine）　lardon（棒状に切った豚バラ肉）を使ったキッシュの代表格で、その名の通りロレーヌ地方の名物。
8位：パエリア（La paella）　ピザ、クスクスに続いて外国料理がランクイン。マルシェでも大きな鍋でパエリアを作っている屋台をよく見かける。
9位：シュークルート（La choucroute）　発酵させた千切りキャベツとソーセージを煮込んだアルザス地方の名物。
10位：カスレ（Le cassoulet）　鴨のコンフィやソーセージを白インゲン豆と煮込んだラングドック地方の名物。