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「アクチュアリテ 社会」荻野雅代(トリコロル・パリ)

大きく変わったパリのメトロの料金システム


さらに懐かしさが募る写真付きカルト・オランジュとそのケース。紙の切符も思い出に取っておきたい。

 2025年1月1日から、パリとパリ近郊のメトロ、バス、トラム、RERなど、公共交通機関の料金システムが大きく変わり、それに伴い、運賃も当然のごとく(涙)値上げされました。これからパリにいらっしゃる方々のために、今までと異なるポイントを抑えつつ、最新情報(2025年1月現在)をお伝えしたいと思います。
 最も大きく変化したのが運賃の均一化!以前は1〜5のゾーンに分けられ、パリの中心地から郊外へと離れるにつれ運賃も高くなる仕組みでしたが、今年からパリとイル・ド・フランス内で発着する限り、チケット1枚2.5€(4〜9歳の子供は1.25€)!例えば、オペラ駅から2駅先のコンコルド駅へ行くのも、パリ中心地からRER線に乗ってヴェルサイユ宮殿やディズニーランド・パリへ行くのも、すべて2.5€でOKです。ゾーン制が撤廃されたことによって、特に土地勘のない旅行者には分かりやすくなりました。ただし、シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港発着は例外で、いずれも片道13€(子供は6.5€)のチケットを購入する必要があります。
 バスとトラムのチケットは1枚2€(子供は1€)の均一料金になり、最初の乗車から1時間半以内であれば、バス、トラム間の乗り換えは自由です。ちなみに、フランスに銀行口座を持つ在住者や長期滞在者であれば、使った分だけ翌月まとめて引き落としされる仕組みのNavigo Liberté+というカードを登録すると、メトロチケット1枚あたり1.99€、バスとトラム1.6€という割安料金が適応されます。
 一度に10枚購入すると割安になる「カルネ」も今年から撤廃されました。チケットはネット環境があればRATPのアプリで好きな時にスマホにチャージができるので、これからは使う分だけ買っておくのが良いでしょう。1日乗り放題パスのNavigo Jour 12€(子供料金なし)と1〜5日間乗り放題のParis Visite 1日券29.9€、2日44.45€、3日62.30€、5日76.25€(子供は各14.95€、22.2€、31.15€、38.1€)は存続しています。
 紙のチケットは2025年末に完全廃止となり、スマホまたは2€で購入できる非接触型カードNavigo Easyにチャージするスタイルに統一されます。エコロジーの観点からは良い変化と言えますが、多くの人々が愛着を持って「ticket de métro」と呼んでいた紙の切符がなくなってしまうのは、なんだか寂しい気がしますね。

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著者略歴

  1. 荻野雅代(おぎの・まさよ)(トリコロル・パリ)

    パリとフランスの情報サイト「トリコロル・パリ」を運営。著書『おしゃべりがはずむ フランスの魔法のフレーズ』

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