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「アクチュアリテ 社会」荻野雅代(トリコロル・パリ)

久しぶりのパリ旅行に備えてメトロのチケット情報をチェック

 ようやくコロナも落ち着き、そろそろフランスに行きたい!という方も多いことと思います。ほんの3年ほどの間ですが、メトロやバスなど、パリの公共交通機関でさまざまな変化がありました。初めて訪れる方にとっては、知っていると安心な便利情報として、すでにパリをご存知の方にとってはおさらいの意味を込めて、最新の情報(2023年3月現在)をお伝えしたいと思います。

 まずは、パリのメトロとバスで共通して使えるRATP(パリ交通公団)の切符Ticket t+について。最大の変化は、10枚まとめて割安で購入できる紙のカルネの販売が2022年3月をもって終了した点です。エコロジーの観点から、今は非接触型カードNavigo Easyにチャージするスタイルに統一されました。これによって、以前のように友人と分け合って使うことができなくなってしまったのは残念です。もちろん紙の切符は好きな枚数を指定して買えますが(1枚2.10€)、割引はありません。昔買ったチケットも使用できます。刻印から1時間半有効でメトロとRER間の乗り継ぎ可、メトロ・RERとバス間は不可。また、空港やパリ市外へのRERの切符は、引き続き紙でも購入可能、1日乗り放題のMobilis(8.45€)、パートナー提携する観光スポットの割引付きParis Visite(1日28.5€)は紙のみでの販売です。

 Navigo Easyを初めて利用する際は窓口でカードを購入し(2€)、自動券売機やRATPのアプリでカルネ(16.90€)や必要な枚数のチケットをチャージすればOK、住所や証明写真は不要です。1日乗り放題のForfait Jour(2ゾーン8.45€)は同じカードでチャージできますが、1週間乗り放題(月曜始まり5ゾーン30€)はNavigo Découverteという異なるカード(5€)が必要になるので要注意です。使いきれなかったチケットは、10年以内であれば次回の旅行で使用できます。空港からパリ市内へのアクセスは、RER B(11.45€)、シャトルRoissyBus(16.2€)、タクシー(右岸55€、左岸62€)の3つの方法が一般的。シャトルバスは早朝から深夜まで15~20分おきに発車、オペラ・ガルニエの近くに停留所があります。タクシーも2016年以降、定額になり、クレジットカード支払いもできるので安心です。


Navigo EasyとDécouverte。1号線のマーク入りケースがお気に入り。

 ちなみに、デジタルチケットも普及していて、スマホをかざすタイプはもちろん、乗車するバス番号を指定の電話番号にSMSで送信するだけというバス限定サービスも登場しています。ここ数年で、あらゆる料金の値上がりには目を丸くするばかりですが、便利になった部分も増えたかなと感じています。

◇初出=『ふらんす』2023年5月号

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著者略歴

  1. 荻野雅代(おぎの・まさよ)(トリコロル・パリ)

    パリとフランスの情報サイト「トリコロル・パリ」を運営。著書『おしゃべりがはずむ フランスの魔法のフレーズ』

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