イベント情報(『ふらんす』2026年9月号掲載)
【展覧会】
◉ルーヴル美術館展 ルネサンス
15世紀から16世紀にかけてヨーロッパ各地で隆盛を極めたルネサンス美術。本展は、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから選び抜かれた50点余りの作品を通して、この豊かで複雑な芸術動向の本質をなす、いくつかの特徴に光を当てます。ルネサンス期の人々は、キリスト教が広まる前の、人間の主体性がより重視された古代ギリシア・ローマの文化に再び価値を見いだしました。このたび初来日するレオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》は、人間の個性への関心が高まった時代であるルネサンスの肖像芸術の傑作です。レオナルドは、人物の外見の特徴をとらえるだけでなく、その内面に潜む複雑な感情を描き出すという難問に挑み続けた芸術家でした。本展では、まさにルネサンスを象徴する人であるレオナルド・ダ・ヴィンチから導き出した4つのテーマ─旅、技法の革新と洗練、古代へのまなざし、肖像芸術の隆盛─に基づいて、絵画から彫刻、版画、素描、工芸まで、多彩な作品を紹介します。ルネサンス美術の真髄に触れる貴重な機会となるでしょう。/会期:2026年9月9日(水)〜2027年2月13日(日)、会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)、[URL]https://www.ntv.co.jp/louvre2026/
【イベント】
◉日仏文化講演シリーズ「文学を外から見る─―数学・AI・クノー」
文学作品は、文芸愛好家に享受され、研究者に分析され、批評家に価値づけられていきます。しかし、そうした「あまりに文学的な」営みの外側から、「文学」と呼ばれる文字列を眺めたとき、いったいどのような景色が広がっているのでしょうか。数学・物理学・人工知能の発想を取り入れた革新的作品を発表し続ける作家円城塔氏、文書をはじめとする認知的道具の汎用技術化をアクション・リサーチを通じて研究する中村雄祐氏、そして「文学内部の文学ならざるもの」に惹かれるフランス文学者塩塚秀一郎氏。本イベントでは、この三氏が共通する関心「数学・AI・クノー」を蝶番として「文学を外から見る」ことを試みます。本イベントでは、それらを出発点、あるいは口実として、それぞれの立場から「あまりに文学的な」文学を相対化し、文学を少し外側から眺め直すことを目指します。【講師】円城塔(作家)、中村雄祐(東京大学)、塩塚秀一郎(東京大学)【司会】塚本昌則((公財)日仏会館、東京大学名誉教授)。/日時:2026年9月18日(金)18:00〜20:00、会場:日仏会館ホール(東京・恵比寿)、[URL]https://fmfj-20260918.peatix.com/
【映画】
◉君の見る世界をなぞる
陽光降り注ぐ南フランスを舞台に、現代という複雑な時代に生きる思春期の少年の葛藤と恋をみずみずしくつづった青春ドラマ。南フランスの裕福な家庭に育った16歳のエンゾ。学校になじめず建築現場で働く彼は、そこで出会ったウクライナ出身の青年ヴラドに心を寄せるが、彼は兵役のため戦争へ行かなければならない。順調な日々を過ごす家族に対する不信感、将来への不安、そして親しい人が奪われていく戦争の現実。自分の感情を制御できないまま、エンゾが過ごす夏は静かに流れていく─もとは「パリ20区、僕たちのクラス」のローラン・カンテ監督が立ち上げた企画だったが、がん闘病中のカンテ監督が逝去したことから、彼の盟友で「BPM ビート・パー・ミニット」のロバン・カンピヨ監督が遺志を継ぎ完成させた。元競泳選手である新人俳優エロワ・ポユが主人公エンゾの心の揺らぎを繊細に演じ、エンゾが淡い憧れを抱く労働者ヴラド役には、実際に建築現場で働いていたアマチュア俳優マクシム・スリビンスキーを起用した。第78回カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品。/2026年8月21日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開中。[URL]https://enzo-movie.jp/


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