イダルゴ前市長が目指した「緑のパリ」、次はどうなる?

リュクサンブール公園の北にあるトゥルノン通りの花屋さん。数年前に店先の歩道に花壇が作られてより緑が増えた。
今年3月、フランスでは6年に一度の統一地方選が行われました。22日の決選投票で、パリでは社会党の陣営が勝利。パリ市長は、2期務めたアンヌ・イダルゴからエマニュエル・グレゴワールへとバトンタッチしました。パリでは2001年にベルトラン・ドラノエが市長になって以来、ずっと左派政権が続いています。
イダルゴは2014年から12年間、パリ市長を務めました。振り返ると、大きな事件やイベントだけでも2015年のシャルリー・エブド襲撃や同時多発テロ、2018~2019年の黄色いベスト運動、2019年のノートル・ダム大聖堂火災、2020~2021年のコロナ禍、そして2024年のパリ五輪まで、なかなか激動の期間だったと言えるでしょう。
イダルゴ市長が特に力を注ぎ、日々の生活にも影響が大きかったのは、環境対策です。まずは車の交通量を減らす政策。セーヌ川沿いの道路を歩行者専用にしたり、市内や環状道路の制限速度を下げたり、車線を減らして自転車レーンを増やしたりしました。自転車レーンが充実したおかげで、コロナ以降も自転車通勤や通学をする人がどんどん増えた印象です。一方で、「渋滞が悪化した」と車の利用者からは大きな不満の声が上がったのも確かです。
もう一つ、目に見えた変化があったのは、街の緑化です。2024年のパリ市の資料によると、市長就任からの10年間で15万5千本の木が植えられ、合計45ヘクタールの緑地、34ヘクタールの都市型農園が増えました。バスティーユ広場やレピュブリック広場、ナシオン広場など、交通の要所も歩きやすく緑豊かになり、通りの駐車スペースを減らして花壇を作った通りも増えました。たとえば中世からパリの胃袋と呼ばれて歴史のあるムフタール通りにも、合わせて220㎡の緑地が追加されました。パリ市庁舎前の広場には、「都市の森」と呼ばれる計画の一環で、2500㎡のスペースに木々や植物が植えられました。
イダルゴ市長が行ってきたこうした環境政策は、一部の専門家からは「都市の気候問題や温室効果ガスの排出量に比べると、見た目だけの対策に過ぎず効果がない」という批判も受けています。とはいえ、環境問題が現実にあって、年々その緊急性が高まっていることは変わりません。パリ市の環境への取り組みや、持続可能な都市を目指す動きは、間違いなく新市長に受け継がれることでしょう。



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