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「アクチュアリテ アート&スペクタクル」岡田Victoria朋子

いまフランスの美術館で出会う18世紀

 この春、フランスの美術館界隈では18世紀がちょっとしたブームだ。まずパリ装飾美術館では「18世紀の一日」展が7月5日まで開催されている。富裕層の個人邸宅オテル・パルティキュリエでの一日をテーマに、同館が所蔵する数万点のコレクションから厳選された約500点を通して、1780年代の人々の生活を早朝から夜まで時間を追ってたどる。例えば早朝の展示空間では、実際の寝室を想定し、ベッドやテーブル、絵画、身支度や化粧に使う小物、下着や衣服などが配置される。同時に、早朝に響く物売りの声を想起させる版画や陶器のフィギュアなども並び、邸宅の外に広がる民衆の生活も描き出そうとする。また地球儀や天球儀、精巧な時計、哲学書、書斎机などは「啓蒙の時代」を象徴する品々だ。ロココの時代でもあった18世紀は、服飾とその周辺文化が大きく花開いた時代でもある。テーマに合わせて香水が拡散されているのもこの展覧会の特徴で、その多くは穏やかで甘い香り。現代の嗜好とはかなり異なることに驚く。

■パリ装飾美術館 https://madparis.fr


「18世紀の一日」展より① © V. Okada


「18世紀の一日」展より② © V. Okada

 パリのガリエラ宮モード美術館では「18世紀のモード」展が7月12日まで開催中。「幻想に満ちた遺産」という副題のもと、約60点の衣服を中心に、アクセサリーやテキスタイル、デッサン、版画、写真などを交えながら、豊かな18世紀のモードが後世の各時代にどのような影響を与えたかをたどる。現代のクチュリエたちが18世紀から得た着想を独自に再解釈し創作へと展開してきた様子も紹介。普段は見ることのできないマリー・アントワネットのコルセットやドレスも必見だ。マレ地区にあるコニャック・ジェイ18世紀博物館で、ガリエラ宮と提携して9月20日まで開催中の「女性らしさを引き出す 18世紀のモードと外見」もあわせて観たい。

■ガリエラ宮モード美術館 https://www.palaisgalliera.paris.fr

■コニャック・ジェイ18世紀博物館 「女性らしさを引き出す 18世紀のモードと外見」展紹介ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=-hKISW0gXIg&t=33s


マリー・アントワネットのものとされているコルセット © Palais Galliera - Musées de Paris

 南仏ヴァランスの美術・考古学館では、廃墟の画家として知られるユベール・ロベールと、ギャラント画で名高いフラゴナールを対峙させた興味深い展覧会が6月21日まで開かれている。1756年にローマのヴィラ・メディシスで出会った二人の作品を並べ、一見異なる作風のなかに見られる多くの共通点や響き合う要素を浮かび上がらせると同時に、制作方法の違いにも光を当てる。フラゴナールの主要な風景デッサンを網羅しているのも特筆される。

■ヴァランス美術・考古学館 www.museedevalence.fr


ユベール・ロベールとフラゴナールの展覧会ポスター

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著者略歴

  1. 岡田Victoria朋子(おかだ・ヴィクトリア・ともこ)

    ソルボンヌ大学音楽学博士、同大学院客員研究員。国際音楽評論家協会理事。翻訳家

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