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「アクチュアリテ アート&スペクタクル」岡田Victoria朋子

ジャポニスム2018 歌舞伎と雅楽/伊藤若冲の《動植綵絵》展

ジャポニスム2018 歌舞伎と雅楽


『鳴神』中村獅童と中村七之助
© Shochiku Co.,Ltd.

 9月13日、皇太子徳仁親王の臨席のもと、エッフェル塔の正面に位置するシャイヨー劇場で松竹大歌舞伎の公演が行われ、ジャポニスム2018の〈舞台公演〉シリーズが公式に開幕した。演目は『色彩間仮豆(いろもようちょっとかりまめ)(かさね)』と歌舞伎十八番の内『鳴神(なるかみ)』で、ともに中村獅童、中村七之助が主演。オーディオガイド付きの上演だったが、『鳴神』ではコミカルな要素がフランスの聴衆にも受け入れられていたようだ。休憩時間にはエッフェル塔の特別ライトアップ「日本の光を纏(まと)う」が披露された。これに先立つ9 月3日、パリのフィルハーモニーでは宮廷雅楽の演奏会が開催。満席の会場には着物姿のフランスの聴衆も見られ、大成功を博した。


『日本の光を纏う』
©︎ Jean Couturier


宮内庁式部職楽部による雅楽の公演
© Philharmonie de Paris

 

伊藤若冲の《動植綵絵》展

 ジャポニスム2018の目玉の一つ、『若冲-《動植綵絵》を中心に』展が、9月15日から1か月間限定でプティパレで開催された(8月号特集参照)。《釈迦三尊像》を取り巻くように配置された絹本着色30幅が、色鮮やかな動植物の世界を次々と繰り広げる。このうち《老松白鳳図》は日本画の名作として1900年のパリ万博で紹介されたという。その緻密な筆致と構図の大胆さ、色使いの繊細さを、フランスの美術ファンも絶賛した。

 ジャポニスム2018の催しの他にも、秋の展覧会が次々と開幕し、大盛況だ。パリのマレ地区にあるピカソ美術館では、Picasso Chefs-dʼoeuvre !(ピカソ傑作展)と銘打って、《道化師》《アヴィニョンの娘たち》《ダンス》など15 のテーマを設け、それぞれのテーマ内で作品、エスキス、スケッチ、習作などを紹介する展覧会を2019年1月13日まで開催中。オルセー美術館では青の時代、ばら色の時代に焦点を絞ったPicasso. Bleu et rose 展が1月6日まで開催中。ブルターニュ地方のポンタヴェン美術館では、ナビ派の元となった《護符Le Talisman》が里帰りし、これを中心とした『色の預言Une prophétie de la couleur』展が。作者のセリュジエがゴーギャンとの会話によってこの作品を描いたというアヴェン川沿いの「愛の森」と呼ばれる林は、美術館から徒歩5 分ほどの場所にあり、絵に想いを馳せながら散策するのもよい。1月6日まで。museepointaven.fr

◇初出=『ふらんす』2018年11月号

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著者略歴

  1. 岡田Victoria朋子(おかだ・ヴィクトリア・ともこ)

    ソルボンヌ大学音楽学博士、同大学院客員研究員。国際音楽評論家協会理事。翻訳家

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