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「アクチュアリテ 映画」佐藤久理子

ド・ゴール将軍の功績を、いまあらためて振り返る


アントナン・ボードリー監督のLa Bataille de Gaulle (partie 1 et 2)

 この夏一番の大作として触れずにはいられないのが、アントナン・ボードリー監督が第二次世界大戦におけるシャルル・ド・ゴール将軍の活躍を2部作にわたり描いた、La Bataille de Gaule-Partie 1 : L’Âge de Fer(ド・ゴールの戦い:鉄の時代)と Partie 2 : J’écris ton nom(君の名を刻む)だ。戦後大統領になったド・ゴールは、いまでも多くのフランス人から愛されているが、本作を観るとその理由がよくわかる。おそらく彼がいなければ、フランスは戦勝国といえど、果たしていまと同じ国になっていたかどうかはわからないと思えるからだ。

 映画のなかでは、ルーズベルト大統領が第二次大戦への参戦を決めた後、ドイツとフランスの領土をアメリカのものにしようとしていたことが描かれる。今日のフランスが、「自由フランス」を樹立して、ルーズベルトやチャーチル首相とわたりあったド・ゴールに負うものは大きい。

 話を映画に戻すと、第一部ではフランスがドイツの攻撃に惨敗し休戦協定を結んだ1940年から、42年、ケーニグ将軍(ブノワ・マジメル)の指揮のもと、ドイツ軍と激しい攻防戦を展開したリビア砂漠の「ビル・アケムの戦い」までを描く。フランス政府内で孤立し、ロンドンにわたりラジオ放送でフランス国民を鼓舞しながらナチスの傀儡政権に対抗したド・ゴール(シモン・アブカリアン)と、そんな彼を支持するパリの学生(フロリアン・レジュール)がレジスタンスに加わり、ヴィシー政権の高官で海軍元帥のフランソワ・ダルラン(マチュー・カソヴィッツ)を暗殺するに至るまでが並行して描かれる。とくにクライマックスの砂漠の戦争シーンは、ハリウッド映画に勝るとも劣らない壮大さだ。

 第二部でも、ド・ゴールの前には相変わらず次々と障害が立ちはだかるものの、チャーチルが動き、ついにアメリカも参戦し、パリをナチスから奪回するまでを描く。ここではド・ゴールとともに、彼を支えたルクレール将軍(ニールス・シュナイダー)、レジスタンスの英雄ジャン・ムーラン(フェリックス・キシル)と彼のアシスタント(アナマリア・バルトロメイ)の活動などが描かれる。

 純粋にド・ゴール賞賛の作品だが、彼の大義は自由を求め、民主国家を守ることにあった。そんな彼の功績を、この映画はあらためて振り返る機会をもたらしてくれる。

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著者略歴

  1. 佐藤久理子(さとう・くりこ)

    在仏映画ジャーナリスト。著書『映画で歩くパリ』

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