仏映画界の未来を担う「新しい顔」

© Ugo Bienvenu ; Agathe Karsenti ; Sarah Makharine ; Laura Stevens / Unifrance ; All Rights Reserved ; Philip Guerette for The American French Film Festival ; Saloi Jeddi & Lionel Koretzky ; Marie Rouge / Unifrance ; Laura Stevens / Unifrance ; Laura Stevens / Unifrance
フランス映画を海外に促進する組織、ユニフランスが毎年1月に発表する「10 to Watch」というリストがある。これはその名の通り、いま注目すべき新人監督や俳優10人を選んだもの。2026年版が右の写真の面々で、今後のフランス映画界に欠かせない存在となるだろうから、ご紹介しておきたい。左上から時計回りに、初監督作『ARCO/アルコ』(プロデューサーにナタリー・ポートマンが参加)で今年のアカデミー賞アニメーション部門にノミネートされたウーゴ・ビアンヴニュ監督、2024年のパリ・オリンピックを題材にしたフィクション、Le Rendez-vous de l’étéで長編デビューしたヴァレンティンヌ・カディック監督、昨年のカンヌ国際映画祭ある視点部門に出品されたLove Me Tenderのアナ・カゼナヴ・カンベ監督、ギョーム・ブラック監督『みんなのヴァカンス』でお馴染みの俳優サリフ・シセ、2025年カンヌの批評家週間に出品されたDes preuves d’amourのアリス・ドゥアル監督と主演のエラ・ラムフ、昨年公開されたNinoで注目されたケベック出身の俳優テオドール・ペルラン、初主演作『ソウルに帰る』が高く評価されたパク・ジミン、監督、主演作Indomptablesを昨年のカンヌ監督週間で披露したトマ・ニジョル、そしてジャン゠リュック・ゴダールに扮したNouvelle Vagueで今年のセザール賞有望新人男優賞にノミネートされたギョーム・マルベック。なかには日本公開がすでに決まっている作品もあるので、彼らの顔をどうか記憶に留めていただきたい。
フランスでおよそ112万人が観た、いま話題のネイチャー・ドキュメンタリーがLe Chant des forêtsだ。ヴァンサン・ムニエ監督の故郷、ヴォージュ地方を主に、ジュラ地方やノルウェーの森林地帯で撮られたもので、現在は希少な存在となってしまったヨーロッパオオライチョウをはじめ、さまざまな森林動物の生態を目の醒めるような美しい映像で捉えている。それだけでも魅了されるものの、なおかつネイチャー・ウォッチを通して祖父、父(監督自身)、息子の対話がなされる、知識や経験の継承を物語るドラマにもなっているのだ。自然を愛し、敬い、温存しようとする試みは、こうした日々の交流によって受け継がれていくものなのだと感じさせられる。久々に心を洗われるような作品だった。



