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中条志穂「イチ推しフランス映画」

フランス王ルイ15世の公妾の波乱に満ちた生涯を描いたコスチューム・プレイ『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』

© 2023-WHY NOT PRODUCTIONS-FRANCE 2 CINEMA- FRANCE 3 CINEMA-LA PETITE REINE-IMPALA PRODUCTIONS

監督:マイウェン Maïwenn
ジャンヌ・デュ・バリー:マイウェン Maïwenn
ルイ15世:ジョニー・デップ Johnny Depp

2月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国公開
配給:ロングライド
[公式HP]https://longride.jp/jeannedubarry/

 フランス王ルイ15世の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描いたコスチューム・プレイ。ジョニー・デップがルイ15世を演じ大きな話題を呼んだ。

 貧しいお針子の私生児として生まれたジャンヌは、パリに出ると持ち前の美貌と才気を発揮し、裕福な貴族たちと付き合うようになる。やがてジャン・デュ・バリー子爵に気に入られたジャンヌは子爵に囲われ、貴族相手の夜の接待役として一躍社交界で有名になった。その噂を聞きつけた王の側近がジャンヌを王に引き合わせる。愛人のポンパドゥール夫人亡き後、気分がふさぎこんでいた王は、ジャンヌの天真爛漫さに心を奪われる。かくしてジャンヌは王の公妾となり、ヴェルサイユの宮廷を支配するまでにのし上がった。だが1年後、マリー゠アントワネットが王太子妃としてヴェルサイユにやって来る。ジャンヌを目の敵にしていた王の娘たちからジャンヌの悪口を吹き込まれ、アントワネットは徹底的にジャンヌを無視する。さらに王が天然痘にかかったため、栄華を極めたジャンヌの地位の崩壊が始まるのだった…。

 ヴェルサイユ宮殿でロケを敢行し、当時の豪華な衣装や色彩を見事に再現したきらびやかな歴史絵巻。脚本・監督を務めたマイウェンが主人公ジャンヌも演じている。昨年のカンヌ国際映画祭のオープニングを飾った作品である。

◇初出=『ふらんす』2024年2月号

『ふらんす』2024年2月号「対訳シナリオ」で、映画の一場面の仏日対訳シナリオを掲載しています。

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著者略歴

  1. 中条志穂(ちゅうじょう・しほ)

    翻訳家。共訳書コクトー『恐るべき子供たち』、ジッド『狭き門』

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