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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第47回 フリードマンの名言(2)

"The only way that has yet been suggested that offers promise is to try to achieve a government of law instead of men by legislating rules for the conduct of monetary policy that will have the effect of enabling the public to exercise control over monetary policy through its political authorities, while at the same time it will prevent monetary policy from being subject to the day-by-day whim of political authorities."
Milton Friedman

 私たちが学部生の頃は、フリードマンの名前は、インフレ抑制のためのマネー・サプライのコントロール、いわゆる「マネタリズム」の学説と結びついていた。これは、要するに、古くからある貨幣数量説の現代版である。

 「これまで示唆されたなかで唯一希望を与える方法は、金融政策の運営についてのルールを法制化することによって、人間に代わって法による行政を実現することである。それによって、国民は政治的権威を通じて金融政策に対する支配力を行使することができるようになるだろう。他方、同時に、それは金融政策が政治的権威の日毎の気まぐれに左右されることを阻んでくれるだろう。」

 のちに、「k%ルール」と呼ばれる金融政策のルール化の提案である。

Milton Friedman, Capitalism and Freedom, with the assistance of Rose D. Friedman, 1962, with a new preface by the author,1982,Chap.3.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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