第20回 F・A・ハイエクの名言(2)
"The enemies of liberty have always based their arguments on the contention that order in human affairs requires that some should give orders and others obey. Much of the opposition to a system of freedom under general laws arises from the inability to conceive of an effective co-ordination of human activities without deliberate organization by a commanding intelligence."
F.A.Hayek(1960)
F・A・ハイエクは、ケインズ革命以降、経済理論の分野から次第に離れ、ある段階から自由主義の社会思想家としての活動が増えていったが、『自由の条件』(1960年)は、その代表作の一つである。彼は、「秩序」が誰がか命令を発してその他がその支配に服して初めて成り立つという考えに反対し、それは人間の行為の意図せざる結果として生じると主張した。のちに「自生的秩序」と呼ばれるようになるが、ハイエクによれば、そのような意味での自生的秩序を否定する人たちが、「自由の敵」になるのだということだ。
「自由の敵たちがつねに議論の基礎に置いてきた主張は、人間の事柄において秩序が成り立つには、誰かが命令を出し、他の人はそれに従うことが必要だというものだった。一般的な法の下での自由の体系への反対の多くは、人間の活動を命令を発する知性による意図的な組織なしには有効に調整することを考え出すことができないということから生じる。」
F.A.Hayek, The Constitution of Liberty, 1960,p.159.