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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第27回 ヨゼフ・A・シュンペーターの名言(1)

"The other day, I have been deeply impressed, when visiting Kyoto by the artistic wonders of the ancient palace of the Shoguns. It is pretty clear, that the means which paid for this palace and for all the splendid works of art which adorn it, was raised by methods which any Marxist would have to call "exploitation". If so, I can personally only say, that I heartily approve of so much of exploitation as was necessary to call into existence that dream of beauty."
Joseph A. Schumpeter(1931)

 ヨゼフ・A・シュンペーターは、一度だけ来日し、各地で講演した(1931年)。二条城の印象について。

 「先日、私は京都を訪れた折、将軍の昔の大邸宅の芸術的驚異に深い感動を覚えた。全く明らかなことだが、この大邸宅やその美しさを引き立てている素晴らしい芸術作品の費用を支払った財力は、どんなマルクス主義者も「搾取」と呼ばねばならないような方法によって蓄えられたということである。もしそうなら、私が個人的に言えるのは次のことだけである。私は、あの芸術の夢を生み出すために必要だっただけの搾取を心から承認する、と。」

Joseph A. Schumpeter," The Present State of Economics, or On Systems, Schools and Methods," 『国民経済雑誌』,vol.50,no.5(1931)

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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