第29回 ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスの名言(1)
"Neither the entrepreneurs nor the farmers nor the capitalists determine what has to be produced. The consumers do that. If a businessman does not strictly obey the orders of the public as they are conveyed to him by the structure of market prices, he suffers losses, he goes bankrupt, and is thus removed from his eminent position at the helm. Other men who did better in satisfying the demand of the consumers replace him."
Ludwig von Mises(1949)
「企業家も農場主も資本家も、何が生産されるべきかを決められない。消費者こそがそれを決めることができるのである。もしビジネスマンが、市場価格の構造によって伝えられたような公衆の指令に厳密に従わないならば、損失をこうむり、破産し、かくして際立った支配的地位から放逐される。他の人間が、消費者の需要を満たすことにより巧みならば、彼にとって代わる。」
ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは、社会主義経済計算論争で若き頃の俊英ランゲの標的にされたが、生涯を通して、反社会主義の立場を貫いた。資本主義においては、消費者の需要に応えられなくなれば誰もがその地位を失うという意味で、「消費者主権」が支配していると主張し、「生産者主権」を退けた。
Ludwig von Mises, Human Action: A Treatise on Economics,1949,the scholar's edition,1998, p.270.