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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第12回 ミハウ・カレツキの名言(1)

"Short-term price changes may be classified into two broad groups those determined mainly by changes in cost of production and those determined mainly by changes in demand. Generally speaking, changes in the prices of finished goods are 'cost-determined' while changes in the prices of raw materials inclusive of primary foodstuffs are 'demand-determined.'"
Michal Kalecki(1954)

 ポーランド出身の経済学者、ミハウ・カレツキの業績は、一部のポスト・ケインジアンのあいだでは、ケインズ以上に高く評価されている。ケインズの「有効需要の原理」と類似のアイデアを『一般理論』よりも数年前に提示していたばかりでなく、ケインズを超えて、のちのポスト・ケインズ派の理論を先取りした仕事をいくつも残しているからである。例えば、価格決定二分法がある。

 「短期的な価格変化は、二つの広範なグループに分類することができよう。すなわち、主に生産費の変化によって決定されるものと、主に需要の変化によって決定されるものである。一般的にいえば、完成品の価格変化は「費用決定的」である一方、主要な食糧を含む原料の価格変化は「需要決定的」である。」

 このような思考法は、のちにカルドアや後期ヒックス、日本人では森嶋通夫にまで影響を与えたと言ってよい。偉大な経済学者である。

Michal Kalecki, Theory of Economic Dynamics,1954,p.11.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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