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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第46回 フリードマンの名言(1)

"Fundamentally, there are only two ways of co-ordinating the economic activities of millions. One is central direction involving the use of coercion the technique of the army and of the modern totalitarian state. The other is voluntary co-operation of individuals the technique of the market place."
Milton Friedman

 ミルトン・フリードマンのファンは、市場経済のメリットを最大限に評価し、社会主義経済計画や政府の規制などを片っ端から批判したが、まだ『資本主義と自由』の初版が出版された1962年には決して多数派ではなかった。だが、レーガン=サッチャーの新自由主義の時代を経て、ベルリンの壁の崩壊(1989年)という20世紀の大事件が発生する頃には、彼の思想は世の中の「常識」のようになってしまった。

 「根本的に、二つの方法しか、数百万の人々の経済活動を調整できない。一つは、強権の発動を伴う中央命令であり、軍隊や現代の全体主義国家にみられる方法である。もう一つは、個人の自発的な協同であり、市場を通じる方法である。」

 経済学者としての訓練を受けた彼は、もちろん、市場の失敗、外部性などの事例を知らないわけではない。だが、彼は、それらをすべて考慮に入れても、最大限に市場を生かす方法を採用したほうが「経済的自由」とともに「政治的自由」も保障されることを力強く主張している。

Milton Friedman, Capitalism and Freedom, with the assistance of Rose D. Friedman, 1962, with a new preface by the author,1982,Chap.1.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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