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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第14回 ジョン・リチャード・ヒックスの名言(1)

"It turns out, on investigation, that most of the problems of several variables, with which economic theory has to concern itself, are problems of the interrelation of markets. ...What we mainly need is a technique of studying the interrelation of markets." 
John Richard Hicks(1946)

 ジョン・リチャード・ヒックスは、名著『価値と資本』(初版は1939年)によって現代ミクロ経済学の基礎をつくった功労者である。LSEにおいてロビンズの示唆に基づいて、ヨーロッパ大陸の経済学、とくにワルラスやパレートの一般均衡理論を研究したが、それは当時イギリスの正統派であったマーシャルの部分均衡理論にはない思考法だった。
 彼は語学力とともに数学的能力にも恵まれていたので、関連の文献を渉猟し、『価値と資本』という一つの優れた体系書を書いた。もっとも、後年の彼は、『価値と資本』の分析手法から次第に離れていくが、その本が、ケインズの『一般理論』とともに、現代経済学(ミクロとマクロ)の古典であることに変わりはない。

 「経済理論が取り扱わなければならない、いくつかの変数をもつ問題の大部分は、研究してみると、諸市場の相互連関の問題であることが判明する。・・・私たちが主に必要としているのは、諸市場の相互連関を研究する手法である。」

John Richard Hicks, Value and Capital: An Inquiry into Some Fundamental Principles of Economic Theory, second edition, 1946,p.2.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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