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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第45回 デヴィドソンの名言

"In a Post Keynesian analysis, if decision-makers are uncertain about the future and timid in their entrepreneurial pursuits, then they protect themselves against possible erroneous spending decisions by maintaining a liquid position in terms of cash and other financial assets. The desire to maintain liquidity and therefore avoid future unpleasant surprises if unforeseen obligations arise, becomes a crucial focal point."
Paul Davidson(1991)

 ポール・デヴィドソンは、アメリカのポスト・ケインジアンで、とくに金融面での仕事で有名である。ポスト・ケインジアンはやや難解な英文を書く傾向があるが、デヴィドソンの英文はつねに明快である。

 「ポスト・ケインジアンの分析では、もし意思決定者が将来に関して不安を抱いており、企業家としての目的遂行においても臆病ならば、彼らは、考えうる誤った支出決定に対して、現金や他の金融資産によって流動性ポジションを維持することによって、みずからを守る。流動性を維持し、したがって、予測できない負債が生じたならば不愉快なサプライズを避けようとする願望が、きわめて重要な焦点となるのである。」

 ケインズの『一般理論』を読み込んだ読者なら、デヴィドソンの言うことはすんなり受け容れられるのではないだろうか。

Paul Davidson, Controversies in Post Keynesian Economics, 1991, p.42.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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