第44回 イートウェルの名言
"However, the long-period method, which has been the common ground of economic debate for two hundred years, has in the last decades been increasingly challenged, and, in the more rigorous versions of neoclassical theory, been superseded, by varieties of short-period equilibria which do not display a uniform rate of profit on the supply price of capital."
Joan Eatwell(1982)
ジョン・イートウェルの名前は、ジョーン・ロビンソンとの共著でポスト・ケインズ派の立場から経済学の入門書(An Introduction to Modern Economics,1973)を書いた若い頃からすでに有名であった。理論家としては、スラッファの価格理論の影響を受けた「長期的アプローチ」の提唱者として知られる。
「しかしながら、長期の方法は、二世紀もの間、経済学上の論争の共通基盤であったけれども、過去数十年間にますます挑戦を受けるようになり、新古典派理論のより厳密なヴァージョンにおいては、資本の供給価格に関して均等利潤率が成立しない別種の短期均衡によって取って代わられてしまった。」
イートウェルは、いまではLordとなり、風貌も政治家になってしまったが、若い頃、鋭敏な理論家であったことは間違いない。
John Eatwell, "Competition," in Classical and Marxian Political Economy: Essays in Honour of Ronald L. Meek, edited by Ian Bradley and Michael Howard,1982,p.219.