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【根井ゼミ】「1日1文 経済学の名言」根井雅弘

第44回 イートウェルの名言

"However, the long-period method, which has been the common ground of economic debate for two hundred years, has in the last decades been increasingly challenged, and, in the more rigorous versions of neoclassical theory, been superseded, by varieties of short-period equilibria which do not display a uniform rate of profit on the supply price of capital."
Joan Eatwell(1982)

 ジョン・イートウェルの名前は、ジョーン・ロビンソンとの共著でポスト・ケインズ派の立場から経済学の入門書(An Introduction to Modern Economics,1973)を書いた若い頃からすでに有名であった。理論家としては、スラッファの価格理論の影響を受けた「長期的アプローチ」の提唱者として知られる。

 「しかしながら、長期の方法は、二世紀もの間、経済学上の論争の共通基盤であったけれども、過去数十年間にますます挑戦を受けるようになり、新古典派理論のより厳密なヴァージョンにおいては、資本の供給価格に関して均等利潤率が成立しない別種の短期均衡によって取って代わられてしまった。」

 イートウェルは、いまではLordとなり、風貌も政治家になってしまったが、若い頃、鋭敏な理論家であったことは間違いない。

John Eatwell, "Competition," in Classical and Marxian Political Economy: Essays in Honour of Ronald L. Meek, edited by Ian Bradley and Michael Howard,1982,p.219.

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著者略歴

  1. 根井雅弘(ねい・まさひろ)

    1962年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専門は現代経済思想史。『定本 現代イギリス経済学の群像』(白水社)、『経済学の歴史』、『経済学再入門』(以上、講談社学術文庫)、『ガルブレイス』、『ケインズを読み直す』、『英語原典で読む経済学史』『英語原典で読む現代経済学』(以上、白水社)、『経済学者の勉強術』、『現代経済思想史講義』(以上、人文書院)他。

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