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「アクチュアリテ スポーツ」芦立一義

フランスの国民的スポーツ、ペタンク


発祥地とされるラ・シオタでペタンクを楽しむ人々

 フランスの国民的スポーツであるペタンクは、誰でも気軽にできるレジャーとしても親しまれている。直径7~8センチ、重さ650~800グラムの鉄球を使ったカーリングのような球技で、特に南仏で盛んだが、パリでもリュクサンブール公園やリュテス円形闘技場などにペタンクコートがあるほか、専用コートでなくても広場でペタンクを楽しむ人の姿を見かけることがある。年中できるスポーツだが、今年の夏ほど暑くなければ、のんびりした空気が流れる夏の夕方が一番いい。

 世界で最も大きいペタンクの大会、モンディアル・ラ・マルセイエーズが7月5~8日に開催、日本を含む26か国から約15,000人の参加者を集めた。またフランス選手権はカテゴリー別に6月から8月にかけて行われ、こうしてみるとやはりペタンクのシーズンは夏なのかもしれない。

 フランスのスポーツはスポーツ担当省の認可を受けた連盟によって公式競技と見なされる。ペタンクの場合、「ペタンクおよびジュ・プロヴァンサル連盟」が管轄しているが、ジュ・プロヴァンサルとはどんな競技か。ペタンクは内径50cmのサークルから鉄球(ブール)を投げるため、投球時に足場を動かすことはない。一方、ジュ・プロヴァンサルの場合、同様にサークルに両足を置くが、片足を残して1歩踏み出し、そこからさらに走るように3歩踏み出して投球する。鉄球の目標球(ビュット)の位置も、ペタンクは6~10mなのに対し、ジュ・プロヴァンサルは15~20mと遠く、よりダイナミックな投球姿勢となるが、それ以外のルールは同じである。ペタンクに続き、ジュ・プロヴァンサルのフランス選手権は9月4~6日にブリアンソンで行われる。

 かつて南仏では地域ごとに似たようなブール遊びがあり、その一つがジュ・プロヴァンサルであった。よく知られたエピソードだが、ジュール・ユーグというジュ・プロヴァンサルの名手がリウマチのために助走ができなくなり、助走をせずに(「足を固定して」pieds tanqués)投球してみたらどうかというのがペタンクの発祥だと言われる。

 ペタンクは2024年のオリンピック追加競技の有力候補にもなっていたが、南仏の田舎でペタンクを楽しむ人々を眺めていると、選ばれる意味を考えさせられる。ペタンクをきっかけに人々が集い語らう場、マルセル・パニョルの作品に描かれるような風景が今も残っているというだけで十分ではないか。

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著者略歴

  1. 芦立一義(あしだて・かずよし)

    パリ第12大学Master2(哲学)修了。仏哲学

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