パリマラソン Marathon de Paris

1896年のパリマラソンのゴール、Le Petit Journal紙(1896年8月2日)
春らしく暖かい日が増す4月、カフェのテラス席で談笑したり公園を散歩したり、外に出たくなる季節だ。フランスには日本のような新学期、新年度という感覚はないが、4月中旬に八重桜の見頃を迎えるパリ近郊のソー公園では花見が恒例行事になっており、hanamiという言葉も定着しつつある。パリマラソンもまた風物詩的イベントで、春の到来を待ちかねていたランナーたちが上着を脱いでパリに集う。近年はパリの両端にあるブーローニュの森とヴァンセンヌの森を結んでパリを横断し、途中オペラ座、ルーヴル美術館、シャンゼリゼ大通り、セーヌ河、凱旋門、エッフェル塔などを通過するという豪華なコースが設定されている。
初めてパリでマラソン大会が開催されたのは1896年7月19日、第1回アテネオリンピックでマラソン競技が実施されてから約3か月後のことである。近代オリンピックでマラソン競技の導入を提唱したのはピエール・ド・クーベルタンであるが、彼にマラソンという競技そのものの構想を提案したのは言語学者のミシェル・ブレアルであった。マラソンがMade in Franceだったということは意外と知らない人も多い。今年はマラソン競技の誕生130周年でもある。現在のパリマラソンの形で行われるようになったのは1976年からで、昨年の参加者は約5万5千人を数える(東京マラソンの定員は3万8千人)。
マラソン大会に限らず、近年のスポーツイベントでは環境問題への配慮は重要なテーマの一つである。環境先進国として世界を牽引したいフランスはどのような取り組みをするのだろうか。例えばペットボトルや紙コップなどの使い捨て容器の廃止で、参加者たちは各自折りたたみ式のコップやハイドレーションバッグなどを持参する。また参加者たちが受け取るTシャツの代わりに、植樹支援への寄付を選択できるというオプションが導入される。他方で、結局プラスチック製品を買わなければならないのではないか、CO2の削減をうたってもバナナはグアドループから輸送され、大勢の人が飛行機でパリにやってくることに変わりはない、そんな批判も聞こえてくる。
開催日は4月12日、旅行の予定がある方は、道路の横断不可、メトロの駅の閉鎖などの規制に注意しよう。大会前日には、ルーヴル美術館からシャン・ド・マルスまでの5キロを走るチャリティーマラソンParis Run For Allや、5歳から参加できるMarateenなど、気軽に参加できるマラソンイベントも行われる。



