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「アクチュアリテ スポーツ」芦立一義

馬術のシリーズ戦


フランス発祥のホースボール
© Comm’on by Tiffou / Tiffany LOUIS

 フランスでは、乗馬は大衆的とは言わないまでも、それほど敷居が高くないスポーツで、子どもの習い事としても人気がある。パリの両端にあるヴァンセンヌの森、ブーローニュの森にはいくつかの乗馬クラブがあり、パリ市内のラヴィレットや近郊のヴェルサイユほか、都市部に住んでいても乗馬クラブを探すのは難しくない。確かにサッカーや柔道などと比べると年会費や道具にかかる費用は高いが、ライセンス人口は約65万人を数える。その約25パーセントを10歳以下、約半数を10代が占めている。フランスでは馬は身近な存在で、軍事パレードなどのセレモニーだけでなく、街中でも騎兵隊によるパトロールを見かけることがある。人間と馬の調和に重きを置くフランスの馬術の伝統は2011年にユネスコの無形文化遺産に登録されており、フランス文化省はガストロノミーと並んで重要な文化的実践と位置付けている。

 フランス馬術連盟が統括するGrand National(以下GN)という馬術競技の年間シリーズ戦が11月に最終節を迎える。GNはオリンピックの馬術競技と同じ種目で行われ、総合馬術が7月までに全5節を終え、障害馬術(全13節)の最終戦が11月6~7日に、馬場馬術(全7節)は11月12~15日、ともにル・マンで行われる。面白いのは、F-1のようにスポンサーのついたチーム(厩舎)が2名または3名の騎手を擁し、年間シリーズでの合計ポイントでチャンピオンを決めるという方式である。GNは2008年に始まった比較的新しい大会方式で、これにより騎手の育成や選考が体系化されるようになった。馬術のプロスポーツ化ではあるが、アメリカのMLSJのようにショービジネスとしてではなく、プロとして騎手が競技を続けられる仕組みに重点が置かれている。

 馬術に関する年間シリーズ戦でもう一つ興味深いのがホースボールである。名前から推測できるように、騎乗で行う球技である。ホースボールはフランス発祥のスポーツで、約65m×25mのコートで6つの把手がついたボールをリング状のゴールに入れて得点を競う。地面に落ちたボールを勢いをつけて騎乗したまま拾うところは迫力があり、そのプレーの激しさから「馬上のラグビー」とも言われる。トップリーグの試合は11月13~14日に第3/4節(全12節)がマコンで行われるが、年間を通じて各地でアマチュア大会や選手権なども開催される。ホースボールは1979年にフランス馬術連盟に正式競技として認められ、現在では女子やジュニアといったカテゴリーもある。競技人口は約3500人だからフランスでもマイナースポーツであるが、国際大会も開催されている。

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著者略歴

  1. 芦立一義(あしだて・かずよし)

    パリ第12大学Master2(哲学)修了。仏哲学

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