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李軼倫「李先生の中国語ライブ授業 特別講義」

第1回 学習者からの質問① 声調について

学習者のみなさんから届いた質問にお答えしていきます。

【質問1】
第1声・第4声の単語を発音する際、第1声の音の高さから第4声に下がる、または第1声の高さより更に少し高い音から第4声に下がる、どちらが正しいでしょうか?
人によって高さが違うように感じます。
どちらでも通じるのでしょうか?
(sakuraさん)

【李先生からの回答】
もちろんどちらでも通じます。
基本的には、第1声の高さから下がって第4声に繋げるのがいいでしょう。
ただ、声調の高さは絶対的なものではなく、発音のしかたには個人差があり、また場面や文脈によって特定の音節を強調することもあります。
たとえば“春天chūntiān”“秋天qiūtiān”“冬天dōngtiān”はすべて第1声ですが、それぞれ前の音節のほうが高く発音されることもあります。うしろはみな同じ“天”で、情報として重要なのは前の音節だからです。


【質問2】
知らない漢字や四声があやふやな漢字に出くわした時、誰でも(ネイティブ含め)適当に四声の発音をせざるを得ないと思いますが、ネイティブにとってそれはどのように感じるものなのでしょうか?
日本の方言を聴いた時と同じ感覚でなんとか理解しようとするものなのでしょうか? それとも…
(mashaさん)


【李先生からの回答】
声調が多少あやふやでも、たいていは文脈や場面で理解できます。
漢字の発音はしっかり覚えてもらいたいですが、「この字が読めないから話すのを止めよう」と思ってしまうと逆によくないので、「だいたいでも通じる」くらいの気持ちで、どんどん口に出してみましょう。もちろん、その後はしっかり辞書で確認してくださいね。

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著者略歴

  1. 李軼倫(り・いつりん)

    北京出身。3児の父。2000 年に来日し、東京外国語大学大学院にて中国語文法・中国語教育を専攻。現在は東京外国語大学、早稲田大学ほかで日々中国語を教えている。NHKラジオ講座でも講師を務め、NHK国際放送のアナウンサー、フリーランスのナレーター・声優としても活躍。好きな音楽をかけ、お酒を飲みながら料理するのが至福の時間。好物はラーメン。
    著書に『ちょこっと中国語翻訳 ネイティヴらしく表現するコツ』『口からはじめる中国語 パズル式作文トレーニング』(白水社)、『これからはじめる 中国語入門』『李軼倫先生と学ぶ はじめての中国語』(NHK 出版)、『はじめよう中国語音読』(アスク出版)ほか多数。

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