2026年も『まいにちふれるフランス語手帳』と一緒にフランス語を楽しく学ぼう!(トリコロル・パリ)

2022年に誕生した『まいにちふれるフランス語手帳』は、私たちが学生時代に、あったらいいなと思い描いていた「日本で使えるフランスの手帳」を、ふらんす編集部と共に形にしたものです。おかげさまで多くの方々にご愛用いただき、2026年版も10月20日に発売されました。
フランス語に限らず、どんな外国語を学ぶときも、その言語にできるだけ多く触れること、そして覚えた単語や表現を実際に使ってみることが、とても大切です。とはいえ、日々の勉強や仕事の合間に、そうした時間を作るのはなかなか難しい、と思う方も多いでしょう。そんなときに役立つのが「手帳」です。
予定を書き込むだけでなく、日々の感想やひらめきをメモしたり、映画や本のレビューを残したり、食べたものを記録したり、やりたいことや欲しいもののリストを作ったりと、手帳は暮らしの相棒のような存在です。1日のうち何度も開き、書き込むこのツールをフランス語学習に活かせたら……そんな思いから、この手帳がうまれました。フランスらしさを大切にしつつ、日本での生活にもなじむ使いやすさを追求し、細部まで私たちのこだわりを盛り込みました。フランスを愛する皆さんに「こんな手帳を待っていた!」と思っていただける1冊になったと自負しています。ここでは、このフランス語手帳の活用法を詳しくご紹介したいと思います。
『まいにちふれるフランス語手帳2026年』の4つのポイント


マンスリー、ウィークリー共に便利なチェックリストあり。ウィークリーの各日の下の欄には、その日行った勉強やエクササイズなど、ルーティーンワークを書き込める。
01. 手帳を開けばそこはフランス
曜日や月の名称がフランス語で表記されているのはもちろん、日本とフランスの祝日やイベントもあわせて載せています。手帳を使う習慣さえあれば、1日1回は自然とフランス語に触れられる……これまで難しかったことが、無理なく叶います。「今日は日本では平日だけど、フランスでは祝日なんだ」「今ごろフランスの学校は秋休みかな」など、両国のちょっとした違いに日々気づけるのも楽しみのひとつです。さらに、フランスの手帳には欠かせないキリスト教の聖人名も入れました。聖人の名前は、今も子どもの名付けによく使われるため、毎日1つずつフランスらしい名前を知ることができます。
02. フランスにもっと詳しくなる
マンスリーページには、その月ごとのフランスの様子を紹介するコラムを掲載。季節の行事や旬の食材など、フランスの暮らしを思い描く時間が、予定に追われる日常の中で小さなリフレッシュになるでしょう。
ウィークリーページには、週ごとにフランス語の一文と日本語での解説を添えています。祝日やイベントに関連したものから、ことわざや著名人の名言、フランスにまつわるクイズまでバリエーション豊富。次の週にはどんな表現が出てくるのか、ページを開くのが楽しみになる手帳です。
03. フランス語で予定を書いてみよう
日本語で手帳をつけるときに「私は○○をする」のように主語と述語をしっかり書くことがほぼないのと同様に、フランス人が手帳に予定を書くときも、簡単な単語の組合せを使うことが大半です。だから、文法をすべてわかっていなくても、単語を並べるだけで、手帳にフランス語で予定を書くことが今すぐにでもできるというわけです。それを大きく手助けしてくれるのが、日常生活でよく使う言葉、手帳に書くことが多そうな言葉を1000語以上集めた巻末の単語リストです。慣れてくれば、予定をほぼすべてフランス語で書き入れることもきっと可能です。
04. 気軽にチェックリストから始めよう
一番大事なのは、毎日ほんのひと言でもフランス語を書いてみることです。書けそうな部分はフランス語で、難しそうなところは日本語で。そんな気楽な気持ちで取り組むのが、長く続けるコツ。最初の一歩としておすすめなのは、単語を並べるだけの買い物メモやToDoリストです。たとえば「à acheter : lait, œufs, pâtes, farine, fruits, gel douche, cadeau d’anniv.」のように、冠詞をつけずに単語を列挙するだけでOK。こうして書き続けるうちに、自然と語彙も増えていくはずです。

『イラストと楽しむフランスの慣用句』でクマさんの絵を描いてくれた、ドミニクさんのマンスリーページがこちら。枠もはみ出して、自由に楽しく書きこんでいるところが素敵
フランス式手帳の書き方のコツ
・時間の書き方
時間の表記は24時間制を使い、午前・午後を示す言葉は添えません。手帳でよく使われるのは、「〜時」を意味する heures を省略して h と書くスタイルです。たとえば11時は「11h」、午後3時半は「15h30」、午後8時20分は「20h20」といった具合。h を大文字にして「22H」と書く人もおり、ここは好みによります。
開始時刻と終了時刻を並べるときは、「〜」ではなく「-」を使うのが一般的で、「10h - 11h15」と書いたり、「〜まで」を意味する à を挟んで「14h à 16h」とする場合もあります。デジタルのカレンダーでは「11:00」という書き方が標準ですが、手書きでは h を使った表記が好まれるようです。
・冠詞は省いてOK
リスト形式のメモでは、冠詞の le / la / les を付けることはほとんどありません。もちろん、faire la valise のように動詞とセットで使う場合は省かずに書くことも多いですが、メモ感覚で「acheter cadeau」や「payer gaz」といったように冠詞を省いて書くフランス人も少なくありません。ですから、あまりこだわらなくても大丈夫です。
・動詞は不定詞が基本
ToDoリストはもちろん、日常の予定を書き込むときも主語を添えることはほとんどないので、動詞は自然に不定詞の形になります。さらに、「〜すること!」のようにタイトル風にしたり強調したい場合は、à acheter のように「à + 動詞の不定詞」を使えばOK。
・見出しやひとことで飾ろう
大事な予定には、目立つ色で Important ! といった一言を添えておくと分かりやすくなります。さらに、その日の感想や気分も「Youpi ! Trop contente !」のようなシンプルなフランス語で気軽に書き込めます。『まいにちふれるフランス語手帳』では、そうした短いフレーズも紹介しています。
・前置詞を使いこなしてステップアップ
chez、à、avec、devant、pour といった前置詞は、使いこなせるととても便利です。たとえば、shopping avec Léa、RDV à 10h、apéro chez Thomas のように、勉強も兼ねて積極的に手帳に書き込んでみましょう。また、場所を表す à は、後ろに続く名詞の性によって形が変わるため、au musée、à l’école、à la maison のように名詞の性を確認して正しく書くことを意識すると良いですね。
・簡単フレーズでメモ日記
『まいにちふれるフランス語手帳』では、日記に活用できるフランス語表現として、「Je suis allé(e) + 場所」や「Je suis + 形容詞」などをいくつか紹介しています。これらを参考にして、その日の出来事や感じたことをメモするような感覚で、気軽に書き込んでみましょう。
・略語を活用
手帳は書き込めるスペースが限られているため、略語がとても役立ちます。たとえば、Rendez-vous は RDVに、Déjeuner au restaurant は Déj. au resto のように短く表記できます。よく使われる略語は、手帳の巻頭でも紹介しています。

トリコロル・パリが書いたウィークリーページ。こんな風に、日本語とフランス語をまじえて気楽に書いてもOK!
フランスの手帳について知ろう!
みなさんはフランスの手帳を手に取ったことがありますか?日本とフランスのカレンダーの違いといえば、祝日くらいだと思われるかもしれません。しかし、じっくり見比べてみると、意外に多くの違いが見えてきます。日常生活に密着したものだからこそ、その国特有の生活習慣が自然に反映されており、とても興味深いものです。ちなみに、フランス語で手帳は Agenda(アジャンダ) と呼ばれます。ウィークリー、マンスリー、デイリーはそれぞれ Agenda semainier / mensuel / journalier です。
・1年365日に記されている聖人の名前
どのカレンダーにも、1日ごとに St Marcel や Ste Geneviève といった人名が記されています。これはキリスト教の聖人の名前を割り当てた「聖名祝日」と呼ばれるもので、キリスト教徒の間では、その日に名前を持つ人にお祝いの言葉を贈る習慣が今も続いています。カレンダーには代表的な聖人名が1つだけ載っているため、ほかの名前の祝日を知りたい場合は、調べたい名前と一緒に「fête prénoms」と検索すれば簡単に見つかります。もちろん、2月29日にも対応する聖人名があります。
・週番号
学校や職場などで、週番号を使って予定を立てることがあり、意外と日常的に目にする項目です。フランスでは ISO 形式の週番号が使われており、その年の最初の木曜日を含む週、さらに1月4日が含まれる週が第1週とされています。
・ゾーン別のバカンス期間
1年に5回ある学校の休暇も、手帳には欠かせない情報です。夏休みやクリスマス休暇の期間は全国共通ですが、冬休みや春休みは、各地域を A・B・C の3つのゾーンに分けて日程が異なるため、対象となる地域がわかるように記載されています。
・ページ端のミシン目
ほとんどの手帳には紐のしおりは付いていませんが、その代わりにページの下の角に斜めのミシン目が入っています。使い終わったページの角をちぎり、手帳の角に指を添えて開くと、自然と最新のページが開くようになっています。
・1月と9月始まりの2種類
日本に4月始まりの手帳があるように、フランスにも新年度にあたる9月始まりの手帳があります。特に小学校高学年から高校生にかけては、毎日の宿題や課題を手帳に書き込む習慣があるため、新学期に合わせて9月始まりの1日1ページ手帳を購入する学生が多いです。また、フランスの手帳はすべて月曜始まりとなっています。
・振替休日がない!
フランスでは振替休日の制度がないため、祝日が土日と重なっても、翌月曜日は通常の平日となります。
・手帳の付録もフランスならでは
フランスの代表的な手帳メーカーには、Quo Vadis、Oxford、Oberthur などがあります。伝統的なものは、レザー風の黒いカバーに、中ページも質実剛健でシンプルなデザインが特徴です。価格は、持ち運びやすいサイズで10〜14ユーロ、大判サイズはおよそ25ユーロと、日本よりやや高めの印象です。付録として、フランス地図や世界地図、便利な電話番号やウェブサイトのURL、パリのメトロ路線図、聖人名のABC順索引に加え、新月・満月の日付や過去30年の地域別ワイン評価などを掲載しているメーカーもあり、それぞれの特色が楽しめます。



