イベント情報(『ふらんす』2025年10月号掲載)
[展覧会]
◉新時代のヴィーナス! アール・デコ100年展
いまからちょうど100年前、フランス・パリでは、芸術史上極めて重要な「現代産業装飾芸術国際博覧会」、通称アール・デコ博覧会が開催されました。本展はこの博覧会開催から100周年を記念して開催する、「アール・デコと女性」をテーマとするものです。女性が描かれたフランスを中心とするヨーロッパのグラフィックデザイン作品と共に、女性と関わりの深いジュエリー、香水瓶、ドレス、車など、100年前のこの時代を象徴する数々の貴重な作品や資料を展示します。アール・デコの女性の表象とそのデザイン諸相の一端を堪能できます/会期:2025年10月4日(土)~2026年1月4日(日)、会場:大阪中之島美術館、[URL]https://nakka-art.jp/
◉アール・デコとモード
京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に 1920年代を中心に世界を席巻した装飾様式「アール・デコ」。生活デザイン全般におよんだその様式は、「モード」すなわち流行の服飾にも現れました。ポワレやランバン、シャネルなどパリ屈指のメゾンが生み出すドレスには、アール・デコ特有の幾何学的で直線的なデザインや細やかな装飾が散りばめられています。また、服の形状はウエストを絞らない簡潔なシルエットになり、スカート丈はひざ下にまで上がり、それらは古い慣習から解放され、活動的で自由な女性たちが好む新しく現代的なスタイルでした。アール・デコ博覧会から100年目にあたるこの記念の年に、京都服飾文化研究財団(KCI)が誇る世界的な服飾コレクションから、この時代を表す選りすぐりのドレスや資料類約200点を紹介します/会期:2025年10月11日(土)~2026年1月25日(日)、会場:三菱一号館美術館(東京丸の内)、[URL]https://mimt.jp/ex/artdeco2025/
◉オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語
印象派といえば、移ろう光や大気とともにとらえた戸外の風景がまず思い浮かぶのではないでしょうか。とはいえ、彼らの最初のグループ展が開かれたのは、近代化が急速に進む1870年代のパリ。この活気に満ちた大都市や、その近郊における現代生活の情景を好んで画題としたドガ、ルノワール、マネ、モネ、カイユボットら印象派の画家たちは、室内を舞台とする作品も多く手がけました。印象派と室内は、思いのほか深い関係を結んでいたのです。本展では、「印象派の殿堂」ともいわれるパリ・オルセー美術館所蔵の傑作約70点を中心に、国内外の重要作品も加えたおよそ100点により、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどります。会期:2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)、会場:国立西洋美術館(東京・上野公園])、[URL]https://www.orsay2025.jp/
[映画]
◉SPIRIT WORLD―スピリットワールド
フランスの名優カトリーヌ・ドヌーブが主演、竹野内豊、堺正章、風吹ジュンらが共演し、迷える大人たちの希望と再生を描いたファンタジー・ドラマ。日本、フランス、シンガポールの合作映画で、群馬県高崎市や千葉県いすみ市で撮影が行われました。監督エリック・クー/2025年10月31日(金)より全国順次公開、10月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテにて先行公開、[URL]https://spiritworld.jp/
[イベント]
◉小西国際交流財団日仏翻訳文学賞第30回記念シンポジウム「日仏文芸翻訳の歩み―古典から現代文学、Mangaまで」
日仏の優れた翻訳作品を顕彰するために創設された日仏翻訳文学賞は、今年、30回の節目を迎えます。この記念すべき機会に、多彩な登壇者を迎え、賞の歩みを振り返りながら翻訳の過去・現在・未来について語り合います。日時:2025年11月1日(土)、2日(日)13時~18時、会場:日仏会館(東京・恵比寿)、登壇者:野崎歓・澤田直・坂井セシル・尾崎真理子・コリーヌ・カンタン・中地義和・宮下志朗・吉川一義・多和田葉子ほか。2025年9月29日(月)より、早稲田大学国際文学館にて「日仏文芸翻訳の歩み」展も開催。シンポジウムの詳細や他の関連イベントについては、小西国際交流財団公式HPまで[URL]https://konishi-zaidan.org/award/