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ポーラ美術館所蔵の名画ピカソ《海辺の母子像》に新事実! 絵の下から仏新聞発見


パブロ・ピカソ《海辺の母子像》1902年 ポーラ美術館蔵

パブロ・ピカソ(1881-1973)が20歳の時に描いた「青の時代」の代表作《海辺の母子像》の絵の下に、新聞紙の貼付けが発見されたことを、所蔵先のポーラ美術館(神奈川県箱根町)が2018年6月5日都内で記者発表しました。

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左:『ル・ジュルナル』紙(1902年1月18日号、3頁)Source gallica.bnf.fr / BnF
右:赤外線ハイパースペクトル擬似色彩による新聞紙の文字の画像(反転画像)©︎ John Delaney, National Gallery of Art, Washington

ポーラ美術館と米ワシントン・ナショナル・ギャラリー、カナダのアートギャラリー・オブ・オンタリオの共同調査で、火星探査でも使われるハイパースペクトル・イメージングという最新技術を用いて《海辺の母子像》の科学的分析が行なわれた結果、母子像の描かれている領域を覆うように新聞紙が貼り付けられていることが判明。1902年1月18日付のフランスの日刊紙ル・ジュルナルの紙面と一致することがわかった。これにより、従来考えられてきた作品の制作時期や場所について見直しが迫られる可能性が高い。この時期は、ピカソが「青の時代」にパリからバルセロナに移動した時期と前後する。

パリで画壇デビューを果たしたばかりのこの頃のピカソはまだ貧しく、カンヴァスも思うように買えずに自作の上に塗り重ねるなど再利用することも多かったことが知られている。新たな絵を描くために前の絵を新聞で覆った可能性が考えられる。

また、これに先立ち2005年に行われたX線透過写真などによる調査によって、《海辺の母子像》の下層に描かれた別の絵の存在もわかっていたが、今回の調査でその絵に関するより詳細な情報が得られ、さらに、最下層に「第3の絵」もあることが判明。「若き日のピカソの様式の変遷を解明する、手がかりとなる重要な発見」と同館学芸課長の今井敬子氏は話す。


報告発表後、テレビのインタビューに応じる今井敬子学芸課長

《海辺の母子像》は2018年8月中旬までポーラ美術館で展示。9月から来年1月までパリのオルセー美術館の企画展「ピカソ 青の時代、バラ色の時代」に貸し出される。なお、2020-21年に北米で開催されるピカソ「青の時代」の展覧会にも《海辺の母子像》は出品される予定で、この共同科学調査は展覧会準備の一貫として実施された。

(ふらんす編集部)

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