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特集「フランス映画祭25年」

『ふらんす』2017年9月号の特集から、一部をご紹介します。


特集「フランス映画祭25年」

フランス映画の現在(いま)を伝える、毎年恒例のフランス映画祭が今年で25回目の節目を迎えました。例年以上に華やいだ映画祭の模様をお届けするとともに、フランス映画の四半世紀を振り返ります。

>『フランス映画祭2017』公式サイト


豪華な顔ぶれが揃ったフランス映画祭2017オープニング


「フランス映画祭2017 レポート」栢木利恵

 旬なフランス映画がいち早くみられ、俳優らの生きたフランス語が聞ける祭典、フランス映画祭が6月22日から25日まで、東京・有楽町朝日ホール、TOHO シネマズ日劇で開催された( 主催ユニフランス)。
 1993 年からスタートし今年で25 回目の節目を迎えたフランス映画祭のオープニングセレモニーは、2007 年以来、2度目の団長となるカトリーヌ・ドヌーヴをはじめ、イザベル・ユペール、ルー・ドゥ・ラージュら豪華来日ゲストに加えて、本映画祭親善大使を務める北野武監督も一堂に会し華やかに行われた。オープニングの前売り券は発売初日に完売。報道陣の数も例年より多く、かつての六本木会場時代を思わせる盛況ぶりだった。
 最初に本年度団長のカトリーヌ・ドヌーヴの出演作をまとめたトリビュート映像が上映された。そして、『シェルブールの雨傘』のメロディーが流れ拍手喝采を浴び、カトリーヌ・ドヌーヴが登壇し、「25 回目のフランス映画祭団長を務めることができ大変嬉しく思い、感動しています」とコメント。上映作品に選ばれた新作11 作品のうち女性監督が6 名(1作は男女共同監督)であったが、「重みのある新しい試みで、この選択に賛同します」と語った。

 


団長を務めたカトリーヌ・ドヌーヴ


  フランス芸術文化勲章&レジオンドヌール勲章オフィシエを受賞している親善大使の北野武監督が駆けつけ、「どうも遅れてすみません、安倍晋三です。加計学園の問題で、お金をもらったという話があったので、絶対もらってないと逃げてきたんです。会場を間違いまして豊洲に行ってしまい、そこでベンゼンが出たということなので築地に移動しましたが、ここもまた違って、やっとたどり着きました」と時事ネタジョークで観客を爆笑させた。“ たけし節” はフランス語に訳されたが、日本時事を知らないフランス人ゲストは少々困惑気味だった。笑いをとった後は真剣に、「フランス映画はジャン・ギャバンに始まり、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの『ガラスの墓標』、イザベル・ユペールの作品、大女優のカトリーヌ・ドヌーヴの『昼顔』や『シェルブールの雨傘』など、非常に影響を受けています。映画は見た後に、恋人同士や友達同士で語り合って、お互いの教養や見方を深める役目があると思います。フランス映画はそれが一番語りやすく、また難しい映画です」とフランス映画に敬意を表した。

 


フランス映画祭親善大使を務めた北野武監督


  期間中に上映されたのは、新作11 作品+クラシック1 作。イザベル・ユペールが事故をきっかけに欲望に突き動かされる一人の女性を熱演したサスペンス『エル ELLE』、カトリーヌ・ドヌーヴと『大統領の料理人』(2013)のカトリーヌ・フロとの2 大女優共演で贈る、強く生きる2 人の女性を描いた『ルージュの手紙』(オープニング作品)、パリの小劇場で起きたトラブルを巡って繰り広げられる一夜の騒動を、コメディ俳優のエドゥアール・ベールが監督・脚本・主演を兼任し、『アメリ』(2001)のオドレイ・トトゥを迎えて描いたコメディ『パリは今夜も開演中』、女性監督が描いたカニバリズムホラー『Raw(英題)』などが人気を集めチケットはすぐに完売した。

 


『エル ELLE』上映後のサイン会の模様。ヴァーホーヴェン監督(左)とイザベル・ユペール(右)


  そして観客による4 段階評価の平均点で決まる「エールフランス観客賞」には、戦争末期のポーランドに赴いた勇気あるフランス人女医の真実の物語『夜明けの祈り』が選ばれた。主人公の女医を演じたのは今、フランスで注目されている若手女優のルー・ドゥ・ラージュ。女医役を演じるにあたり、実際に病院で助産師と一緒に患者を診てみたり、外科医の指導の下、子豚を使って帝王切開のシーンを練習し撮影に臨んだそうだ。メガフォンをとったのは、『ボヴァリー夫人とパン屋』(2014)のアンヌ・フォンテーヌ監督。
 フランス映画祭のオープニング動画&俳優・監督のインタビューはWeb サイト「フランスネット」(フランス映画情報・インタビュー)に掲載。俳優らの活きたフランス語が耳にできます!
http://www.france-jp.net
(かやき・りえ)

(写真・ふらんす編集部)


>Karyn NISHIMURA-POUPÉEさんによるインタビュー「ヴィアネ、規律正しきシンガー」はこちら


『ふらんす』2017年9月号では、中条志穂さんによる「フランス映画四半世紀 私的ベスト10」、イザベル・ユペール&是枝裕和対談「映画における女性像」も掲載しています。ぜひあわせてご覧下さい。

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