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「アクチュアリテ 食」関口涼子

2017年7月号 パリの名店の味を気軽に味わう!

パリの名店の味を気軽に味わう!

 初夏を迎えるパリでは、劇場シーズンが終わりに近づくと同時に、祝祭感覚のイベントが増えてくる。その1 つ、「テイスト・オブ・パリTaste of Paris」は、3 年前から開かれている催しで、グラン・パレの1000 平米のスペースを使い、4 日間、多くは星付きレストランの名物料理を1 品8 ~ 12 ユーロで食べることができる。「パリの顧客感謝祭」とでもいえるだろうか、普段は敷居の高いレストランのシェフが目の前の屋台で紙皿に料理をよそい、一緒に写真を撮ったりもしてくれるというのが醍醐味だ。

 今年は、ギー・サヴォア、フレデリック・アントン、ティエリー・マルクス、小林圭のほか、若手ではトミー・グセ、韓国料理とのフュージョンで人気のピエール・サン、一ツ星の女性シェフ、ジュリア・セデフジャン 、老舗トゥール・ダルジャンのフィリップ・ラベなど、19店がブースを出している。

 他にも食に関わるスタンドが100 以上並び、マスタークラスや子どもを対象とした料理教室などが開かれ、開催期間中3 万人の入場者が見込まれている。入場料は20 ユーロ前後と決して安くないのだが、様々な店の料理をあちこちで自由につまむことができ、気がつくと何時間も過ごしているのだから、行く価値は十分にあるエンターテインメントだ。

 料理をフィーチャーしたパリのイベントには他にも、パリ市が数年前から初夏に開催している「パリのハッピーアワーLes Heures Heureuses de Paris」がある(今年は7 月5 ~ 7 日)。これは、パリの300 点以上のレストランやパティスリーなどが参加するイベントで、各店舗がアペリティフの時間に2、3 ユーロという安価で料理を提供するというものだ。

 普段は高くて入りづらい店の料理が気軽に食べられると同時に、日の長いこの季節、パリの地図を手に店から店へとはしごすることで、パリを散歩し、観光客もパリジャンも、新たなパリの顔を見出すことができる。 こういったイベントは、観光都市パリとしては、食と結びつけてパリの魅力を発見してもらうための、欠かせないツールであるだろう。

 

◇初出=『ふらんす』2017年7月号

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著者略歴

  1. 関口涼子(せきぐち・りょうこ)

    著述家・翻訳家。著書Fade、La voix sombre、訳書シャモワゾー『素晴らしきソリボ』

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