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特集「仏領ニューカレドニア ――天国にいちばん近い島」

『ふらんす』2017年11月号の特集から、一部をご紹介します。

特集「仏領ニューカレドニア ――天国にいちばん近い島

直行便で8時間半、時差もわずか2時間。
日本からいちばん近いフランスであるニューカレドニアは、珊瑚礁の美しい南の楽園。
フランス語学習者の渡航先としても最適な、魅力溢れる列島を特集します。



ウヴェア島、ムリビーチ



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 「フランス人がすすめるニューカレドニアの旅」
Gilles DELRIEU


まもなく200号に到達するPICNICを手にするジル・デルリュー氏
 

 フランスに生まれ、日本から少々遠回りして1982年にニューカレドニアに降り立ったわたしは、その1年後に、この2つの国の架け橋になろうと、PICNICという日本語の観光情報誌を創刊しました。その後、印刷技術においても、観光業においても、また経済においてもさまざまな発達・進歩がありましたが、PICNICはいまも健在。ニューカレドニアに滞在する日本からの観光客のみなさんは、この無料情報誌を34年まえと変わらず手に入れることができます。

 いまや、わが故郷となったニューカレドニアを手短にご紹介してみたいと思います。

 パリからはるか1万7000キロメートル、南太平洋に位置するニューカレドニアはその珊瑚礁がユネスコ世界遺産に登録されている麗しき列島であり、160年前からはフランスの、そして3000年前からメラネシアの文化を二重に有する土地です。ときにはたがいに反目し合うこともある二つの顔を持っているものの、平和ななかで共存することに成功している国です。ここがフランスの領土であることを知らないフランス人も少なくありません。気候、動物相、植物相、生活様式、娯楽……これらすべてが、フランスに住むフランス人と、ニューカレドニアに住むフランス人を、一見隔てているようにも見えます。四季も逆転していて、10時間の時差もあり、文字通り昼と夜ほど違います。

 しかし、ニューカレドニアに降り立った旅行客は、数日経って慣れてくれば、自分がフランスの街、南仏のどこかの街にいるような印象をまずまちがいなく持つことでしょう。ヌメアの通りには、パン屋、肉屋、ワイン店が、道路にはフランス車が(日本車もとても人気が高いことも断っておきましょう)、スーパーマーケットにはフランスのメーカーの商品が、また映画館のポスターにはフランス映画が見受けられます。とりわけ、フランス語はいたるところに溢れています。混成(ビジン)語ではなく上質のフランス語、まさに「モリエールの言語」です。

 様々な理由から、ニューカレドニアはフランス語やフランス文化を愛する人々を歓迎している土地です。なかでも日本人を。[……]
(ジル・デルリュー/ニューカレドニア在住・観光情報誌PICNIC主宰)

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「ニューカレドニア滞在記」
星埜守之



ウヴェア島、ムリ橋


  8月のはじめ、久しぶりにニューカレドニアを訪れた。前回の訪問は2009年の秋のことだから、およそ8年経っている。8年前は成田からカレドニア国際航空(通称エアカラン)の夜中の便に乗って現地に朝到着、という旅程だったけれども、現在では昼の12時15分発の直行便でヌメアに夜に到着、というフライト・スケジュールだ。およそ8時間半の空の旅を終えてトントゥータ空港に到着するのは、現地時間で夜の10時半過ぎ。日本との時差が+2時間なのでこの時刻になる。リニューアルされた空港に降り立ったのはわたしと妻、そして同行するのは『ふらんす』編集部の鈴木美登里さん。わたしたち夫婦は一応「バカンス」、鈴木さんは小特集の取材を兼ねての旅行だ。まあ、バカンスといっても、こうして滞在記を書いているわけだから完全なオフというのでもないけれど……。

 荷物が出てくるのを待って、空港を出たのは夜中の12時頃で、送迎をお願いしていたフィロ・ツアーズのマサコさんの車に乗ってヌメア市内に着いたのは1時くらいだっただろうか。投宿したのはヌメア市中心部から南に4キロ程のところにある、アンスヴァタAnse Vata 地区。複数のリゾート・ホテルや観光客向けの商業施設が立ち並ぶ一角だ。今夜の宿はヒルトン・ヌメア・ラ・プロムナード・レジデンス。いわゆるコンドミニアム方式の部屋で、キッチン、リヴィングルーム、寝室が完備されている。ベランダからは青いビーチが一望のもとに(とはいえ、真夜中だからこれは明日のお楽しみ)。でも、こんな高級そうなホテルに泊まったことあったかなあ……とにかく、今夜はもう寝よう。明日は朝の国内便でロワイヨテ(ロイヤリティ)諸島のウヴェアに向かうのだから(ちなみに、3人で泊まった部屋の料金は一泊約2万パシフィック・フランで、1フランが1.1 ~ 1.2円くらいだから一人当たりにするとだいたい8000円──意外に安いのでひと安心)。

ウヴェアへ


ニューカレドニア


  ニューカレドニアを構成するのは、グランド・テールと言われる本島とその周囲の島々で、行政区分としては本島の北部州、南部州、そしてロワイヨテ諸島の3つの単位がある。四国ほどの面積の本島は、フランスパンのような形で北西から南東へと延びていて、その北東側の海岸の沖合に位置するのが3つの主たる島──ウヴェア、リフー、マレ──からなるロワイヨテ諸島だ。そのいちばん北側にあるのがウヴェア。大きな環礁の東側が島となって残っている、といった風情のウヴェアは、南北の長さが約35キロ、東西は広いところで幅5キロ程、もっとも狭いところでは幅500メートルにも満たない細長い島。かつて『天国にいちばん近い島』(1965)の作者、森村桂が「酋長の息子」の村に滞在したのも、このウヴェア島だ。

 ヌメアのホテルを朝8時過ぎに出発。まず向かったのは、ヌメア中心部から東に3キロくらいのところにあるマジャンタ空港。国内線の便はここからロワイヨテ諸島、イル・デ・パン島、本島北部などへ飛んでいる。

 60人乗りのプロペラ機で40分、眼下にはやがてヤシの木に覆われた陸地とエメラルド色のラグーン(礁湖)が見えてくる。[……]
(ほしの・もりゆき/東京大学教授・仏文学・クレオール文学)



国鳥カグー(リヴィエール・ブルー州立公園)



アンスヴァタ・ビーチ


(写真=ふらんす編集部)

 *『ふらんす』2017年11月号では、Gilles DELRIEUさんのニューカレドニア紹介と星埜守之さんの滞在記の全文、さらにデルリュー敦子さんによる「立川発!ニューカレドニアとの交流」、「ニューカレドニアお役立ち情報」も掲載しています。ぜひご覧下さい。

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